クルマ並の2Lエンジン!ハーレーダビッドソン“クルーザーモデル”の加速に酔いしれる

■カスタムマシンのような「ファットボーイ」

一方の「ファットボーイ」は、同じ「ミルウォーキーエイト117」エンジンでも“カスタム”と呼ばれるグレードで、103PSの最高出力と168Nmの最大トルクを発揮。先代モデルは1868ccで、94PS、155Nmだったので、結構パワーアップしています。

その名の通り、ファットな前後タイヤが特徴で、フロントは160、リアは240サイズとこちらもクルマのタイヤかと思うほどの太さです。ホイールもディッシュタイプとなっていてカスタムマシンのような雰囲気を醸し出しています。

このモデルのアイコンの1つであるクロームで磨き上げられたヘッドライトナセルは従来からのまま。太いフロントフォークカバーとともに、迫力あるフロントフェイスのイメージを作り上げています。昔からファンが多いのが頷けるデザインです。

マフラーはメッキの2本出しで、太いリアタイヤを強調するフェンダーなどとともに、迫力あるリアビューに仕上げています。排気音もさらに野太さを増した印象で、この音に憧れるライダーは多いことでしょう。

675mmとかなり低い位置にあるシートに腰掛け、フォワードコントロールのステッププレートに足をのせると、巨大なボディと不思議な一体感が生まれます。車重は315kgと重量級ですが、重心位置が低いこともあって信号待ちなどでの不安感はありません。

エンジン特性は「ローライダーS」と比べると穏やかに感じますが、それでも少し大きめにアクセルを捻れば車体の重さを感じさせないようなダッシュ力を味わえます。燃費効率など度外視しているような極太のタイヤが路面を蹴っている感触は、このマシンならではの持ち味でしょう。

タンクの上面にマウントされたアナログ式のメーターも従来のままですが、電子制御は「ローライダーS」と同様に進化していてクルーズコントロールにも対応。走行モードもレイン、ロード、スポーツの3種類から選べるようになっています。

■SPEC■
ファットボーイ
全長:2365mm
ホイールベース:1650mm
シート高:675mm
車両重量:315kg
エンジン:1923cc空油冷V型2気筒
最高出力:103PS/5020rpm
最大トルク:168Nm/3000rpm
価格:327万5800円〜

*  *  *

各モデルの持つイメージはそのままに、着実な進化を遂げているハーレーダビッドソンのクルーザーモデル。大きなピストンが内部で動いていることが感じられるVツインエンジンと大柄な車体は、動かしているだけでバイクを操っている満足感が得られるほかにはなかなかないバイクといえます。

>> ハーレーダビッドソン

<取材・文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

【関連記事】

◆新時代の「ホーネット」ってどうなの!? 750ccと1000ccに試乗して見えてきたもの
◆「レブル250」に”Eクラッチ”だと!? それって最強のコンビネーションじゃね?
◆デカくて重い、けどそれがイイ。ホンダ「CB1300 SUPER FOUR」最終モデルに乗る

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする