「Google Pixel 10」と「Google Pixel 10 Pro」機能と価格差を考えてどちらを選ぶべきか

■どちらを選んでも、最新のAI機能を堪能できる

Pixel 10シリーズの最大の特徴は、AI機能が強化されたことにあります。新しい機能として、撮影時に理想的な写真が撮れるように導いてくれる「カメラコーチ」、通話やメッセージの利用時にAIが先回りしてユーザーに必要な情報を表示してくれる「マジックサジェスト」、通話時に自分の声で翻訳される「リアルタイム通訳」などがあります。これらの機能は両モデル共通です。

「カメラコーチ」はGeminiを用いた新機能。自動で設定が変わったりトリミングされたりするわけではなく、ユーザーが主体的に操作するようにガイドしてくれるところがポイント。写真撮影が苦手な人に適した機能ですが、自信がある人も使ってみると、新しい発見があるかもしれません。

▲「カメラコーチ」を起動すると、いくつかの構図が提案される。撮りたい構図を選択すると、理想的な写真が撮るためのガイドが表示される

「マジックサジェスト」は、通話やメッセージの際に、Googleアカウントに紐づく情報の中から、AIがユーザーに必要と推測される情報を引き出して表示してくれる機能。初期設定はオフになっており、Gmailの設定で有効化する必要があります。筆者はほとんど情報を保存していない状況で試しましたが、「メッセージ」で待ち合わせの相談をすると「カレンダー」や「マップ」のアプリを起動するように導かれたりするのは便利だと感じました。

▲「マジックサジェスト」を利用するには、事前に設定が必要

▲「メッセージ」のやり取りをAIが解析して、必要と思われるGoogleアプリの起動に導いてくれる。Gmailの情報も検索される仕組みで、Googleサービスを多用している人ほど役立ちそうだ

最も気に入ったのは「マイボイス通訳」。外国人と通話をする場合に、話者の声に似た声で通訳される機能。つまり、フツーに日本語で話せば、相手には自分が外国語で話しているように聞こえるわけです。あいにくネイティブの人と通話する機会はなかったのですが、英語を話せる日本人を相手に試してみたところ、かなり近い声質で驚きました。通訳には少しタイムラグが生じ、まず元の声が小さく聞こえて、その後に、通訳された音声が聞こえます。間延びした感じになりますが、ちゃんと通訳されていることが実感でき、それはそれでいいかも、と思えました。

▲「マイボイス通訳」は、まず「電話」の設定画面で有効にする必要がある。通話の開始後すぐに起動できる。翻訳結果は画面にも表示される

文字起こしと要約ができる「レコーダー」には、録音した音声にAIが生成したBGMを付加できる機能が追加されました。3分までという制約はあるものの、ナレーションの作成などに役立ちそうです。

▲「レコーダー」には、AIによってBGMを追加できる機能が搭載された。録音した音声やリズムに合った音楽が生成される

「NotebookLM」アプリもプリインストールされています。ソースとしてPDF、Webサイト、YouTube、テキストデータをアップロードすると、その情報が要約されたり、内容について質問できたりできるというもの。面白いのは「スタジオ」という機能で、ソースをまとめた内容を音声で聞くことができます。ただ、要約を読み上げるのではなく、まるでラジオ番組やポッドキャストのような語り口調の音声コンテンツが生成されます。ただし、無料で使える容量には制約があり、存分に使うには「Google AI Pro」(月額2900円)にアップグレードする必要があります。

▲複数のデータをアップロードして、要約したり、質問したりできる。音声解説が聴ける機能は非常に便利で楽しい

検索や文章生成などを行う「Gemini」や、「フォト」の多彩な画像編集機能の使い勝手にも差はありません。AIを目当てに買うのなら、どちらを選んでもよさそうです。

 

■ディスプレイ性能の差はわずか

Pixel 10とPixel 10 Proは、どちらも6.3インチの有機ELディスプレイを搭載しています。Pixel 10は「Actuaディスプレイ」、Pixel 10 Proは「Super Actuaディスプレイ」という名称で、それぞれの解像度、輝度、リフレッシュレートに差があります。といっても、どちらも明るく、クッキリとした表示で、使用感にはほとんど差はないと言っていいでしょう。

▲左がPixel 10、右がPixel 10 Pro。日常的な用途においては、表示性能の差は気にならないだろう

なお、Pixel 10シリーズは、内蔵スピーカーの音質を向上させたことも特徴としています。両モデルの音を聴き比べたところ、どちらもスマホとしてはトップクラスと思える迫力がある音を楽しめました。よって、動画を観たり音楽を聴いたりする楽しさも互角です。

 

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