「軽だとは思って作っていない」。開発者が自信たっぷりに語る新型「デリカミニ」のデリカミニたるゆえん

「軽だとは思って作っていない」。メーカーの三菱自動車工業の開発者が自信たっぷりに語るのが、新型「デリカミニ」。2025年10月29日に発売されました。

乗ってみると、まさにその言葉に誇張はないな、と思う出来映えでした。試乗したのは、トップグレードの「Tプレミアム・デリマルパッケージ4WD」。

世の中には小さいゆえにいいもの感のあるプロダクトが存在します。私が個人的に好きなのは、とっくに生産終了でありますが、旧西ドイツ製の35ミリフィルム用カメラ「ローライ35」。

小型の筐体の中にきっちりしたメカニズムが入っていて、レンズもライツ製の3群4枚構成のテッサー。カメラ好きからは「名玉」(マニアはいいレンズをこう呼ぶ)などと言われています。

新型デリカミニに対面して、乗りこんで、走り出した瞬間に、私はローライ35を思い浮かべたわけです。

ドアの閉まり音がしっかりしているのが、いいもの感の第一点。金属と金属がぶつかる安っぽい音はないし、ガラスがビビる音もなし。バスンッとしっかり閉まるのは安心感にもつながります。

走り出しは、従来型の変速プログラムを少しいじったそうで、アクセルペダルを少し踏み込んだだけで、すっと気持ちよく発進。そのあとはどんどん加速していきます。

▲ヒルスタートアシストやヒルデセントコントロールを標準装備

車体のガタピシ感はなく、路面の起伏だろうと凹凸だろうと、すいすいと越えて走っていく感じ。車体の溶接スポットを増やしたのと同時に、しなやかさと剛性をともに増す構造用接着剤の塗布面積を増やした結果でしょうと説明されました。

全長3.4mに満たない車体ですが、開発者の思い入れが詰まっている印象です。

▲室内長は2315mmに達し後席用スライドドアの開口幅は650mm

ご存知のかたはいるでしょうが、デリカミニは、日産ルークスと共同で開発されたモデルです。三菱のこだわりは、サスペンションダンパーにカヤバのものを使ったり、ドライブモードを5つ(日産は3つ)にしたりと、広範囲にわたります。

ドライブモードは「エコ」「スタンダード」「スポーツ」がルークスと共通で、デリカミニではさらに「グラベル」(砂利)と「スノー」が追加されています。

【次ページ】室内の使い勝手も良好

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