正月休みで頭脳派バトル。1度で2度おいしいクイズ&人狼系なら「インサイダーゲーム」

■面白さ:協力した直後に、疑い合う

ろんさんは「インサイダーなら早く正解させたいけれど、自分だとバレたくない。庶民なら時間をかけて当てたいけど、疑われたくない。そのギリギリのラインを探る駆け引きが1番面白い」と言います。

マスターや庶民にとって前半戦は、ただ早く当てればいいわけではありません。それは後半の推理パートでインサイダーを見抜くための材料がこの前半に詰まっているからです。

マスター・庶民側は、できるだけ前半を長く続けたい。誰がどのタイミングで質問したのか、どんな流れで話題を動かしたのか、核心に迫る質問が出たときに不自然さはなかったか。そうした情報が多ければ多いほど、後半の議論は有利になります。

とはいえ、クイズを当てられなければゲームはその時点で終了。質問を重ねつつ正解にもたどり着かなければならず、その過程で、前後の流れとは関係なく、一発で答えに近づくミラクルな質問をしてしまうこともあります。すると今度は、“あの質問、答えを知ってたんじゃない?”と、庶民であるはずの自分が疑われる側に回ってしまう。

▲うっかりミラクル質問をしたことで庶民なのに疑われ、敗北した者の図。俺のせいなの?

「正解に貢献するほど、怪しまれる可能性が出てくるのが厄介なところで、庶民がクリティカルな質問をしてしまって疑われて焦っているときが特に好きですね」

一方、インサイダー側の思考は真逆です。後半の議論時間をできるだけ短くするため、前半は早く終わらせたい。そのためには、正解につながる質問をしなければなりません。ただし、露骨に核心を突く質問を続ければ、当然怪しまれます。「当てたいけれど目立ちたくない。導きたいけれど、誘導していると思われたくない。そのギリギリのラインを探りながら、発言の強さやタイミングを調整し続けることになります」ろんさん。

そして犯人探しのフェーズに入った瞬間、それまで自然に会話していたはずの全員の表情が、急にうさんくさく見え始めます。「全員の表情が、急にうさんくさくなるんですよ」ろんさん。議論が進むにつれて黙っただけでも怪しいし、よく喋りすぎても怪しい。誰のどんな振る舞いも疑いの材料になっていきます。

▲さっきまで流暢に話していたはずが目線を落として突然静かになるのはとても怪しい

「“誰を見ても怪しく見えてくる、この疑心暗鬼の空気”こそが、このゲームの醍醐味です」

協力して答えを導き、その直後に疑い合う。同じクイズを解いているはずなのに、プレイヤーごとに見ているゴールはまったく違う。このねじれた構造こそが、インサイダーゲームの一番の面白さと言えます。

クイズとしても、人狼系としても楽しめる、1度で2度美味しいのが「インサイダーゲーム」です。短時間で終わるのに、1プレイごとに展開がまったく違う。だからこそ“もう一回”が自然に出てくる。オトナ向けの正月ボドゲとして、ちょうどいい一作です。

>>オインクゲームズ「インサイダーゲーム」

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<取材・文/山口健壱(GoodsPress Web) 協力/渋谷ボードゲームカフェ「High Five」

山口健壱|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回ってGoodsPress Web編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。冬キャンプでボドゲやるのが好きです。初めて買ったボドゲはカルカソンヌ。

 

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