[再現!文学ごはん]横溝正史『白と黒』の「イクラのサンドイッチ」

水面から死体の両足が直立していたり、ゴムマスクを装着して生活している人がいたり、悪魔が来りて笛を吹いたり…

<呪われた村ババーン!>とか、<閉ざされた村の因習ドドーン!>とか、<謎の老婆ズッキューン!>とか、そんなゴシックでおどろおどろしいイメージが先行しがちな横溝作品ですが、この『白と黒』で名探偵・金田一耕助が活躍する舞台はなんと「団地」。

登場人物も、ホステス出身の若奥様とか、洋裁店のマダムとか、現場監督とか、役者志望の青年とか。全体にとても昭和らしい風景の中で、謎が謎を呼ぶミステリが描かれます。

またこの『白と黒』は、食べ物の描写が多めです。

豪華な懐石、若妻が振舞うチキンライス、朝の和定食など、基本的にとてもおいしそうなものが多いのですが、ひとつだけ気になるブツが。

それが「イクラのサンドイッチ」です。

 

■ひとくち目はやはり面食らいます!

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