“黒”に意味がある。とある編集者のワン・ダフルライフを支える「ジャングルモック」とは

【スニーカーとヒト。Vol.7】

普段、当たり前のように付き合っている相手でも、知られざる一面やバックグラウンドがあるもの。仕事上の関係から友人になった場合なんて、なおさらではないだろうか。初めましての自己紹介時に経歴を聞くなんてことないし、それ以降もあえて聞こうとしない限り、そのような話が出てくることはない。これまで登場してくれた人々がそうであったように、今回の主役である“ぐっさん”こと田口圭介さんもまた然り。

以前は仕事を発注する側と受注する側の関係性だったが、最近では仕事とは関係なく、少し歳の離れた友人として付き合っているぐっさん。この連載がスタートした頃、「まずは周囲から」と出演の声がけをしていた際に、彼にもオファーした。これに対して、「自分なんて面白くないので、ネタがなくなって困っているようだったら」と、逃げ腰の返答をしていたことを思い出し、満を持してのオファー。多少は渋られこそしたものの、そこは年長者の強み。気持ち強めにお願いしたところ、無事に出演OKと相なった。

2月半ばの日曜日。初春の陽気の中、世田谷公園付近で待ち合わせ。アッシュ系のショートヘアに黒いグラサン、ペイズリーの柄シャツに鮮やかなオレンジ色のベスト、黒いスウェットパンツという“アウトレイジ”な格好した怪しい男が、柴犬と待ち合わせ場所に立っている。こちらに向かって手を振っているので、「なんだ、バカヤロウ!!」と恫喝しながら近づいてみると、ぐっさんと愛犬のお米くんだった。足元に履かれていたのはMERRELL(メレル)の名作「JUNGLE MOC」。じゃあ、まずは撮影して、そのあとで話を聞いて…と取材の流れを説明しながら、今さらの疑問が浮かぶ。そういえばぐっさんって、今何してる人?

【次ページ】何でもこなす編集者がたどり着いた「ジャングルモック」

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