ハノイを歩いてベトナムの人気サンダルと歴史的サンダルを知る

最初の店で10代とおぼしき若い女性店員さんに英語で話しかけたところ、こっちの英語がしょぼいからかまったく通じず。スマホのGoogle翻訳でベトナム語を表示させ「昔からあるサンダルってありますか?」とたずねたところ、首を傾げて悩み始めた。さすがに若いから知らないのかなと思い「人気のサンダルってどれですか?」と聞いたところ、指をさしたのがシ◯ネルなどハイブランドのロゴが付いたサンダルだった。あぁ、うん…、そうなのね。

さすがにそれは、と思い、お礼を言って次の店へ。

▲サンダルだらけ

今度は30~40代とおぼしき男性に同じく「昔から売ってるサンダルはありますか」とスマホでたずねたが、ちょっと考えたあと「NO、ホンコー(không có/ない)」との返答が。はたしてこの店にはないのか、そもそもそんなものはないのかわからなかったが、ノーと言われてしまったら、こちらはもう何も言えない。せっかくだから人気モデルはどれかと聞いてみると、近くに座っていた女性の店員さんに話しかけたあと「これかな」といった雰囲気でジェスチャーで教えてくれた。それは予想通り、厚底のEVAサンダルだった。

▲こ、これは…

ハノイメトロ車内にいた学生さんが履いていたやつで、バイクに乗っている若者でもよく見かけるやつだ。これたしかに履き心地良さそう。

値段を聞くと「ツーハンドレッド」。200Kドン=20万ドン=約1200円。観光地価格なのかそれとも適正価格なのか、まったくわからん。試しに足を入れさせてもらったが(靴下を履いていた)、想像通りふかふかタイプだ。気持ちいい。

他にも置いてあるサンダルを見てみると、元祖EVAサンダルのクロックス(本物かどうかは不明)や横に3本線が入ったアディダスのサンダル(本物以下略)、そしてハイブランドのロゴ入りEVAサンダル(画像自粛)など、どれもこれもEVAサンダルばかり。

考えてみれば日本でもクロックスが登場して以降、ご近所サンダルはほぼEVA製になったわけで、その履き心地の良さは、どこで履こうが一緒。そりゃみんな快適なのがいいよね。

ベトナムは現在、世界中のブランドが製造地としている国だ。中でも、ザ・ノース・フェイスやナイキをはじめとしたアウトドア・スポーツ系のブランドはMade in Vietnamが本当に多い。それは製造を任せられる技術力があるという証左でもある。もしこれらサンダル店に飾られているEVAサンダルもそういった工場が作っているのであれば、品質的にも安心はできる。1000円程度のサンダルに何を求めているのかという話ではあるが。

考えごとをしながらサンダルを眺めていたら、店の男性は「こいつ買わないのか」といった様子で椅子に座ってしまった。申し訳ない。

結局、ハンザウ通りでは何も買わず。いやだって、結構嵩張るから荷物になりそうで…。昔からベトナム人にとっては定番といったサンダルがあれば、荷物になろうが即買いするつもりだったのだが。

その後、ドンスアン市場の中を隈なく歩いてみたところ、サンダルをたくさん飾っている店がいくつかあったが、ラインナップはハンザウ通りと変わらず。昔ながらの定番があるか聞いてみても、やはり誰からも「あるよ」という答えはなかった。残念。

とはいえ、本当に街ゆく人々の足元はサンダルが多い。自分がこの街に住むことを考えると、そりゃあサンダル履いちゃうよな、などと思いつつ、この日のサンダル巡りを終えた。

 

【次ページ】まさかこんなところでサンダルを見つけるなんて…

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