レーサーレプリカ世代垂涎の新型登場! スズキ「GSX-R1000」が注目される理由とは

去る7月31日にスズキは新型の「GSX-R1000」と「GSX-R1000R」を発表しました。初代「GSX-R750」の登場から40周年というタイミングでリリースされた新型。発売は2026年で、国内導入については発表されていませんが、鈴鹿8時間耐久レースの会場でお披露目されていることから、期待感は高まります。

「GSX-R」シリーズは、フルカウルを纏ったいわゆる“スーパースポーツ”マシンですが、古くからのバイクファンなら“レーサーレプリカ”という呼び方がしっくりくるかもしれません。シリーズの歴史を振り返りながら、新型が期待を集める理由を解説します。

 

■本当のルーツは国内向けモデルだった!?

▲1985年型「GSX-R750」

初代の「GSX-R750」が発売されたのは1985年のこと。77PSを発揮する油冷エンジンを搭載し、乾燥重量179kgという軽量な車体との組み合わせで高い走行性能を誇り、ル・マン24時間耐久レースで優勝するなどレースシーンを席巻しました。

▲1986年型「GSX-R1100」

翌1986年には排気量を拡大した「GSX-R1100」も登場。当時、スーパーバイク選手権の4気筒マシンの排気量上限は750ccだったため、レースでの活躍シーンは限られましたが、“世界最速”のマシンとして一世を風靡します。エンジンはこちらも油冷ですが130PSを発揮。乾燥重量は197kgと軽量で、現代の目で見ても魅力的なスペックです。

▲1986年型「GSX-R750」

レースシーンで大活躍した「GSX-R750」からは、1986年に限定モデルの「GSX-R750R」が発売されます。乾式クラッチにシングルシートを装備しており、まさに言葉の通りの“レーサーレプリカ”で、当時のバイクファンを熱狂させました。ただ、価格も100万円オーバーで若いライダーにとっては高嶺の花でした。

▲1984年型「GSX-R」

「GSX-R750」と「GSX-R1100」は主に欧州で人気を博しますが、実は初めて「GSX-R」の名を冠したのは国内向けの400ccモデルでした。1984年発売のこのモデル、車名はズバリ「GSX-R」。排気量を含まない車名は“排気量を超えた魅力”を持つことを現したもので、最高出力は59PSで乾燥重量は152kg。その後、400ccクラス最高出力の自主規制値が長く59PSとされていたのは、このマシンがきっかけでした。

1983年に発売された同社の「RG250Γ」とともに、本格的なレーサーレプリカ時代を到来させたマシンで、その世代のライダーならば記憶している人も多いことでしょう。

 

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