質の良い睡眠の準備は朝にアリ!“スリープマスター”によく眠れるコツを聞いてきた

もちろん、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは人によってまちまちだそう。なので、“何時間寝たらすっきり起きられるな”というものがあれば、そこから逆算して入眠時間を考えるといいようです。

ちなみに、入眠後は一気に睡眠が深くなるのですが、寝る前に酒を飲んだり、日中の活動量が少なかったりすると、浅い眠りが続き深い睡眠に入らないこともあるのだとか。

「お酒は入眠作用があるので眠くはなるんですが、せっかく眠っていても浅い状態が続いてしまいます。また覚醒作用もあるので、途中で起きてしまったり、その後はなかなか寝付けなくなってしまうことも。なので、寝る前のお酒はあまりオススメではなく、できれば入眠の2~3時間前には終えてください」

なかなか寝付けないから寝酒を、という人もいるかもしれませんが、質の良い睡眠、しっかり休める睡眠を考えると、あまりオススメではないようです。

また、午後に眠気を感じることは気にしなくてもいいとか。

「昼食後に、ご飯たくさん食べたから眠い、みたいなことがあると思いますが、それはご飯を食べたからとか寝不足だからというわけではなく、しっかり睡眠を取れている人でも人間の体のリズムで眠くなるものなので、気にしなくて大丈夫です。ただし、ここで頑張って仕事をしたり何か作業したりしてしまうと作業効率が低下したり集中力が低下したりするので、15~20分程度お昼寝するのが効果的ですね」

たしかに午後イチはなぜか眠くなることがあります。ここで無理せず少しだけ“休む”感覚で目を瞑ったり軽く眠ったりするといいんですね。

「ちなみに、カフェインはだいたい摂取して20~30分後に効いてくるので、お昼寝の前にコーヒーを飲むことはおすすめです」

では、朝起きられないとは逆に“朝早く目が覚めてしまう”という人はどうなんでしょうか。

「そういった相談はすごく多いですね。年を重ねてくると、睡眠時間が短くなることは体のリズムとしては自然なことなので、そうプレッシャーに感じず、睡眠時間が短くても質を高めてあげたり、お昼寝を効果的に取り入れてあげることで、足りていない夜の睡眠を補ってあげれば問題ありません。ストレスや精神的な要因、生活習慣の乱れ、不規則な生活リズムも、早く目覚めてしまう原因につながりますので、規則正しい生活を心がけ、リラックスできる時間を作ることが大切です」

具体的に睡眠を良くするための方法とは、どのようなものになるのでしょうか。

「夜の眠りための準備は、朝起きた時から始まっています。できるだけ同じ時間帯に起きて、そして最も重要なポイントが“太陽の光を浴びる”ことです。これによってセロトニンというホルモンが分泌され、約15時間後にメラトニンという睡眠ホルモンに変わってきます。なので、朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる。これで、夜眠る準備を始められて、体内時計のリセットにもつながります」

夜勤などで暗い時間に起きなければいけない人は、部屋の照明でも構わないので、とにかく明るい光を浴びることが大事なんだそう。

また、日中に体を動かすことも大切だといいます。起きている間の活動量が多すぎても睡眠の質の低下にはつながるそうですが、少なすぎても影響は出るとか。

そして食事も重要。できるだけ3食とる。とくに朝は咀嚼できるものにすることで体を起こせる。朝は必ず食べたほうがいいといいます。

「夕飯は、できれば寝る2~3時間前までに済ませるようにしてください。飲みすぎたらアルコールを分解するために、食べすぎたら消化するために体が動いてしまい、そちらにパワーを使ってしまい、質の高い睡眠が取りにくくなってしまいます」

さらに夜、睡眠前に入浴することもいいそうです。

「私たちの体は、体温が下がる時に眠気を感じるようになっています。なので、一度お風呂に入って体温を深部から上げてあげることで、入浴後の体温低下でスムーズな睡眠につながりやすくなります。できれば15~20分程度、お湯に浸かって体を温めてあげるのがいいですね。もちろんシャワーでもいいのですが、やはり一番のオススメは湯船に浸かること。どうしてもシャワーしか浴びられないという人は、首筋とか手首、足首など太い血管が通っている部分を重点的に温めてあげるといいと思います」

また、寝る前の行動を一定化するのもひとつの手。ストレッチしたり、温かい飲み物をとったり、スキンケアをしたりといった入眠ルーティンを作っておくことで、気持ちの切り替えにもなり、効果的だとか。

「お気に入りの香りをかぐ、なんてこともアリだと思います。例えばアロマミストを枕カバーにかけておいたり、マグカップにお湯を入れてアロマオイルを少しだけ入れてみたり、ティッシュにたらしたり、といったことだけでもいいと思います」

ちなみに寝る前のスマホは、ブルーライトもあるし、情報が入ってくることで交感神経が優位になってしまうので、やっぱり良くないそう。でもなかなかやめられないという人は、スマホをナイトモードに設定したり、ブルーライトカットの工夫をしてみたり、リラックスできるものを見たりなどで、できるだけ刺激を抑えるようにしましょう。

 

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