【ソニー RX1R III】有効約6100万画素のハイスペックコンデジは人物描写も半端なかった

■クリエイティブルックがつくる、日常スナップの新たな表情

▲ソニー RX1R III、シャッタースピード1/1250秒、F4、ISO100、クリエイティブルック:FL3

「FL3」はコントラストを抑えつつ、落ち着いたクリアな発色が特徴です。パキッとした順光で撮影しても重くならず、軽快な雰囲気にまとまります。

空と緑の色合いが印象的で、どこかノスタルジックさを帯びた一枚に仕上がりました。

▲ソニー RX1R III、シャッタースピード1/1250秒、F4、ISO800、クリエイティブルック:IN

なお、レンズの逆光耐性についてはそれなりという印象でした。強い西日などを画角に入れると、コントラストの低下やゴーストが発生する場面があります。

ただ、ポートレートやスナップにおいては、こうした現象もむしろ“味”として楽しめることが多く、肩の力を抜いて撮影できるのもこのカメラの良さだと感じました。

▲ソニー RX1R III、シャッタースピード1/1250秒、F4、ISO1000、クリエイティブルック:FL

こちらは夕刻前の街角で撮った一枚。特別な場面ではありませんが、このカメラを手にしていると、“撮りたい”と思う瞬間が増えるのを実感しました。

撮影の理由をあれこれ考える必要もなく、ポケットやバッグに入れておくだけで、気になった景色に手が伸びる。そんな使い心地があります。

フルサイズらしい画質をそのまま楽しめて、手のひらサイズで持ち歩ける。RX1R IIIは、日常にちょうどいい距離感で寄り添ってくれるカメラだと感じました。

■気づけば手にしている、信頼できる一台

「RX1R III」は、被写体と素直に向き合えるカメラであり、自分の日常をもう一度見渡すきっかけにもなる一台だと感じました。

カメラを持っているから義務っぽく撮るのではなく、“自分が撮りたいから撮る”。そのシンプルな感覚を思い出させてくれる道具です。気づけば、出かけるときも散歩の途中も、自然と手にしている。そんな存在になっていました。

>> Sony「RX1R III」

>> 趣味カメラの世界

<取材・文・写真/田中利幸 モデル/野上桜禅(@iam._.on)>

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