至福のひと時を生み出すアルコールバーナーの使い方&オススメ6選【アウトドアの調理道具】

■のんびりと至福のひと時をともにする

シンプルな構造で不具合が起きにくく、寒冷地でも頼りになる。軽くて燃焼時も静か。何よりたたずまいが美しい…これが長きにわたりアルコールバーナーが人々を魅了する理由だ。

もちろん、アルコールバーナーにもデメリットはある。購入をためらう最大の理由は、火力調整をしづらいことだが、それも魅力に変わるのだ。アルコールバーナーには火力調整つまみはなく、自動着火装置もない。ライターの炎を近づけて着火し、消火は蓋をかぶせる。実に原始的であるが、焚き火と同じで炎を操る快感を得られるのだ。

では、火力の調整をどうするかというと、火口の数を減らせば弱火、ふさがなければ強火。火力調節用蓋が付属している製品もあるが、なければ厚手のアルミホイルをかぶせてもなんとかなった。気になる燃焼時間はタンク容量や火口の数や大きさなどに左右されるが、満タンで30分が目安。極弱火にすると燃焼時間はもう少し伸びる。

実際に炊飯(1合)と湯沸かし(500㎖)をしてみたところ、炊飯(約20分)+湯沸かし(約10分)各1回で燃料はわずかにタンク内に残った。ただし、クッカーの素材や風の有無で沸騰するまでの時間に差が生まれる。アルコールストーブで野に出る前に、燃焼テストは必須だ。

 

<アルコールストーブで湯沸かし+炊飯>

■ごはんの炊き方

アルコールストーブには五徳がないのでエスビットの「ステンレス ストーブ」(3888円)を使って鍋をセット。火力の微調整はできないが弱火にはできる。

手順1:米を1時間浸水

米を洗い、米の1〜1.2倍の水に浸けておく。夏なら30分、それ以外は1時間ほど浸けておくと炊き上がりに芯が残りにくい。

手順2:燃料は50㎖注ぐ

一度の炊飯でタンク半量の燃料が必要。エスビットのタンク容量は約100㎖。途中で立ち消えるとやっかいなので、60㎖でもいい。

手順3:沸騰まで中〜強火

沸騰までに時間がかかりすぎるとべちゃべちゃになるので約10分で沸騰するよう中〜強火で加熱。この日は気温8.6度だったので強火。

手順4:沸騰後は中〜弱火

沸騰後は10〜15分ほど高温をキープできるよう中〜弱火に調整。パチパチという音に変わったら10秒ほど強火にしてから10分蒸らす。

■残った燃料を無駄にしない蓋付き

エスビット
「アルコールバーナー」(2592円)

火力調整蓋は長いハンドル付きで操作しやすい。メチルアルコールのほかエチルアルコールも使用でき、残ったらパッキン付き蓋でそのまま運べる。70㎖で燃焼時間約25分。真ちゅう製。サイズφ7.4×H4.6㎝  重量92g

 

<500mlの湯を火に掛ける>

▲気温8.6度。時折強く風が吹くというやや不利な環境。試しに熱伝導率の低いチタン製クッカーも使ったが風で冷えたためか3分ほど時間がかかっていた

ステンレスクッカーに500mlの水を入れて沸かしてみた。強火全開で沸騰するまで約10分。低温に負けず力強い燃焼を見せた。

 

<燃料アルコールは専用ボトルで携行>

▲(左から) リンデン/パウチ容器100㎖(3個セット)(864円)、同/除菌もできる燃料用アルコール(1188円、以上問飯塚カンパニー)、トランギア/フューエルボトル 0.5ℓオリーブ(3024円 問イワタニ・プリムス)

液体燃料は販売時のボトルではなく、燃料用ボトルに移し替えて持ち運ぶ。トランギアのフューエルボトルは注ぎ口が秀逸。リンデンのパウチ容器は1回分のアルコールを小分けにでき、使用後は丸められるのがいい。

【次ページ】パワフルさが自慢、表裏で使える、など最先端のアルコールバーナーを紹介

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