iPadOS 16により使い勝手がさらに進化したiPad Pro【GoodsPress AWARD 2022】

【GoodsPress AWARD 2022】

機能、デザインはもちろん、革新性、コストパフォーマンスなど、さまざまなアプローチで我々を刺激したアイテムを表彰する年末恒例「GoodsPress AWARD」。各ジャンルの識者が厳選した“2022年の顔”をぜひチェック。

PC・デジタル家電部門の総合大賞を受賞したのは、2022年10月に発売されたM2チップ搭載の12.9型iPad Pro。最小構成でも約17万2800円超えという価格は、無計画に手を伸ばせるものではない。しかし、「この端末が欲しい…」と人を引き寄せる“引力”も最大級だ。

※2022年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号20-21ページの記事をもとに構成しています

*  *  *

大前提として、モバイル機器のフラグシップモデルは、すでに万人のためのものではない。エントリーからミッドレンジ帯の底上げが進み、必要十分を満たす体験は手頃な価格で得られるからだ。同時に20万円超えも珍しくなくなった上位モデルには、プレミアムな“何か”が欠かせなくなった。

スマートフォンならば、約2年後の返却を前提に、キャリアで端末購入補助プログラムを利用するとして、その期間でいかに尖った体験が伴うかが重要だ。タブレットならば、何年も仕事や趣味の相棒として共に歩める信頼感が欠かせないだろう。メーカー各社は、こうした市場の成熟を理解し、それぞれの得意を伸ばす試行錯誤を続けている。

アップルのiPadシリーズも例外ではなく、2022年3月にはM1搭載のiPad Airが登場して大部分のユーザーはAirで事足りるようになった。同年10月に発売された第10世代のiPadでは、ついにホームボタンが無くなり、安価な選択肢でも必要十分な性能・デザインを楽しめる。

そのため、総合大賞であるiPad Proが持つのは、万人受けする親しみやすさではなく、プロフェッショナルにとっての「信頼たる相棒」としての価値だ。カメラマンが撮影した写真の細部を出先でも大画面で確認したいから、マンガを好きな場所で描きたいから、SNS投稿用のVlogを旅先で最小限の装備で編集したいから――。こうした「何かをしたい」という強い情熱を支える強力なデバイスとして、同機は他を圧倒する。

「パソコンの代わりに」ではなく、「iPad Proが欲しい」と思わせる魅力が、そこにはある。

ITライター 井上晃さん
スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器をベースにしながら、最新ガジェットやデジタルサービスを幅広く網羅するIT系ライター。雑誌やWebメディアを中心に、レビューやコラムも寄稿している

 

【次ページ】価格を忘れさせるほどの魅力を徹底解説

この記事のタイトルとURLをコピーする