主流は小型だが、長財布も根強い!土屋鞄に聞く「革財布」のリアルな現在地

【大人のご褒美ギフト】

ギフトの定番として真っ先に思い浮かぶアイテムのひとつが「財布」です。キャッシュレス化が進み、その存在意義を問われる場面も増えましたが、日常的に財布を手放す人は、まだ多くないのが実情ではないでしょうか。

むしろ最近は、腕時計のように、自分の価値観やスタイルをさりげなく表す存在として捉え直す動きも見られます。

▲TSUCHIYA KABAN六本木店:〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7-3 東京ミッドタウン ガレリア 3階

そこで今回訪れたのが、ランドセルや革小物を作り続けて60年の老舗ブランド、TSUCHIYA KABAN。六本木店の前田和英さんに話を聞きながら、いまのライフスタイルに合った財布選びの考え方や、素材の個性、日常での付き合い方など、さまざまな角度から財布の魅力を整理していきます。

前田和英(まえだ・かずひで)さん|2025年に土屋鞄製造所へ入社し、同年からTSUCHIYA KABAN六本木店の店長として勤務。財布やバッグなど革小物を中心に、素材やケアまで含めた提案を行っている

 

 

【アイテム1】手のひらサイズで使い勝手◎。“現代財布”の最適解

「ディアリオ ハンディLファスナー」(1万7600円)

▲サイズ:W11.6×H8.8×D1.9cm、内装:カードホルダー×2、小銭入れ×1

TSUCHIYA KABAN前田さん(以下前田さん) まずおすすめしたいのが、お客様からの人気も非常に高い、小型のL字ファスナー財布です。

GoodsPress Web(以下GPW) やっぱり、いまはこのサイズ感が主流なんですね。

前田さん そうですね。最近はキャッシュレス派の方が増えてきていて、必要最小限のものをどうスマートに持つか、という考え方にシフトしています。

GPW なるほど。そう考えると、このL字ファスナーの形はかなり合理的ですね。

前田さん はい。ただ、必要最低限とはいっても現金が必要な場面はまだありますので、小型でも小銭やお札をきちんと収納できることは大事なポイントです。見た目以上に収納力があり、薄くてコンパクトなのでポケットにも収まりやすいですね。

GPW 確かに、これなら持ち歩きのストレスも少なそうです。

前田さん ちなみに「ディアリオ」は、イタリア語で“日記”を意味しています。タンニンなめしの牛革にオイルを含ませていて、使うほどに色艶が深まり、持ち主の時間が刻まれていくシリーズです。

GPW 革の色も、どこか独特な雰囲気がありますね。

前田さん こちらは数量限定のカーキです。ブラウンやブラックといった定番色を選ばれる方にも、意外とすっと馴染む色合いですね。

GPW 価格は1万7600円。革財布として考えると、かなり現実的だなと感じました。

前田さん コンパクトで気負わず使えて、それでいて革の魅力もしっかり楽しめる。いまのライフスタイルに合った、入り口として選びやすいモデルだと思います。

【アイテム2】手にした瞬間に違いがわかる。コードバンという素材の品格

写真左:「コードバン 長財布(縦型)002」(8万8000円)
写真右:「コードバン 二折財布 002」(6万8200円)

▲写真左/サイズ:W9.3×H18.9×D2.2cm、内装/カードホルダー×11、フリーポケット×4、マチ付きスペース×1,ファスナー小銭入れ×1、写真右/サイズ:W11.2×H9.4×D2.6cm、内装:カードホルダー×4、フリーポケット×3、札入れ×2、小銭入れ×1

前田さん 次にご覧いただきたいのが、こちらのコードバンシリーズです。革のダイヤモンドと称される、希少な素材を使った財布になります。

GPW じっと見ていると、吸い込まれそうなくらい革の密度が高くて美しいです。

前田さん こちらは“水染め”によるコードバンで、革の表面に色(染料)を重ね、磨きと熱、ワックスで上品な艶に仕上げています。そのため、奥行きのある透明感と、澄んだ艶が生まれるんです。

GPW 耐久性という点ではどうなんでしょう。見た目がきれいな分、繊細な印象もあります。

前田さん 光沢感があるので、傷が目立ちやすいという側面はあります。ただ、革自体の強度は非常に高く、長くご愛用いただける素材なんです。それに、革製品の傷や色の変化って、必ずしも劣化ではないと考えておりまして、店頭ではよく「履歴」みたいなものだとお伝えしています。

GPW と、言いますと?

前田さん 傷は使ってきた証ですし、色の変化もその財布と一緒に過ごしてきた時間の積み重ね。革だからこそ、そういう変化を味として受け止められるんですよね。

GPW なるほど。「履歴」と聞くと、見え方が変わりますね。なんだか人生みたい。

前田さん ちなみに、今回のシリーズは昨年リニューアルしておりまして、コードバンらしい存在感はそのままに、厚みを抑えてスマートに持てる設計になっています。

GPW 色もいいですね。特に長財布のグリーンが気になります。

前田さん こちらはボトルグリーンという色で、光の当たり方によって表情が変わるのが特徴です。二つ折りはハバナブラウンで、コードバンらしい艶をしっかり楽しめる定番カラーですね。

GPW どちらも簡単に買える金額ではないですが、革の背景を聞くと納得感があります。

前田さん 実際にお客様からも、同じようなお声をいただくことが多いです。納得して選ばれる分、結果的に長くご愛用される方が多い印象ですね。

【次ページ】長財布の魅力と革との付き合い方

この記事のタイトルとURLをコピーする