ボディのイエローはボックスアートのイメージで!【達人のプラモ術<ルノー5ターボ ラリー仕様>】

■黄色塗装は下地塗装が大事!

ボディのメイン色となるイエローは隠ぺい力(下地を隠す力)が弱いため、下地の仕上げに気を使います。先に塗装した白の塗装面にムラやシミなどがあると、イエローを塗り重ねても出てきてしまうので要注意です。

塗装はタミヤラッカーLP-8イエローを使用。白と同じく基本1:1で希釈。4回塗り重ねて、さらに仕上げの2回は溶剤6:塗料4で希釈して塗装することで、平滑な仕上げを得ています。

また塗料は乾燥の際にわずかですが縮む性質があるため、隠ぺい力のない色だと乾燥後に凸部分の塗膜が薄くなり、下地の色がうっすらと浮き出てムラの原因になることがあります。そこで砂吹きの際にボディの凸部分を先に塗装しておきます。

▲テストペイントしたサンプルを見てもわかるようにグレーサーフェイサーの下地だと何度塗り重ねても仕上がりが暗くなってしまう。下地をしっかりと白で塗装しておくことで、鮮やかな発色が得られる

▲イエローは隠ぺい力が弱いので、下地塗装で色味が変わってしまう

▲乾燥時の塗料ヒケによる塗りムラを防ぐため、砂吹き塗装の際にボディのエッジ部分やドアやエンジンフードのモールド部分を線吹きで色を入れておく

▲6:4で希釈したイエローで仕上げ吹きをしているところ。エアブラシのクラウン(ニードルカバー)を外しているのは、カバーに付着した塗料の粒が塗装面に飛ぶのを防ぐため。ただしニードルがむき出しになり、ニードルを曲げてしまうといったトラブルの原因にもなるるので、お勧めはしない。ニードルカバーを外した塗装はあくまでも自己責任で

▲イエローの塗装が完了。仕上げを含めて6回塗り重ねているが、必ず6回塗らなくてはいけないということではなく、ムラなく綺麗に仕上がっているのならば3回でも4回でも問題はない。白塗装と同じく最低でも24時間乾燥させる

▲イエローを1時間ほど乾燥させてマスキングテープを剥がす。完全乾燥させてしまうと塗膜が硬くなるので、マスキングテープを剥がす際に塗装がエッジ欠けを起こすことがある。これを防ぐために塗膜がある程度柔らかい状態の時に剥がしている

 

■黒での塗装

イエローの塗装が乾燥したら、ボディを再びマスキング。

ボディ両サイドとエンジンフード、リアオーバーフェンダーのインテーク部分を黒(タミヤラッカーLP-3ブラック)で塗装(2回吹き)していきます。ボディの両サイドの黒ラインは、基本デカールで再現されていますが、ウインドフレーム部分などは塗装しておく必要があります。

先に塗装した白とイエローの部分に黒がはみ出してしまうと修正に手間がかかるので、マスキングは丁重に、しっかりボディ全体をカバーしておくことをお勧めします。

▲黒での塗装が完了した状態。1時間ほど乾燥させてマスキングテープを剥がし、さらに24時間乾燥させる

▲黒塗装を乾燥させて、全てのマスキングテープを剥がし、ボディの基本塗装が完了した状態

 

■さて、なぜボディが2個あるのかと言うと…

先にも書きましたが、ボディカラーのイエローは、インストの指示では缶スプレーTS-16イエロー、もしくはタミヤラッカーLP-8イエローが指定されています。ボディの基本塗装を完了させてから当時の資料写真などを見ても、色調も実車のイメージをよく再現した色であることが分かります。

しかしこれはあくまでも個人的なイメージなんですが、キットのボックスアートで描かれているややオレンジみの強いイエローのボディカラーがカッコ良いなぁ~と思っていたんですね。

指定色で仕上げたボディはこれはこれでアリでカッコ良いのだけれど、自分の思っているルノー5ターボ ラリー仕様のイエローはタミヤのボックスアートなんだよ! というワケでキットをもう1点購入(こういう時、3520円というリーズナブルな価格がありがたい)、自身が思う色で塗装したというワケです。

使用したカラーは、ガイアカラー005 サンシャインイエロー。やや赤みのあるイエローです。塗装工程は純正色と変わりませんが、タミヤラッカーよりもさらに10パーセントほど薄めて使用しています。赤みのあるイエローのボディはリアル派のモデラー諸氏には、こんな色ではないと怒られてしまいそうですが、そこはそれ、プラモデルなので自分の思うイメージでの塗装は大事。ボックスアートのイメージに仕上がったことで満足しています。

▲ボックスアートの赤みのあるイエローがカッコ良い、ルノー5ターボ ラリー仕様。追加塗装したボディはこのイメージで仕上げている

▲指定色で仕上げたボディ(写真手前)にデカールを貼ったあと、個人的な好みからあらたにガイアカラー005 サンシャインイエローで塗装したボディ(写真奥)を追加で製作。キットの指定色となっているタミヤラッカーLP-8イエローに比べてかなり赤みが強いのが分かる

▲ガイアノーツ「ガイアカラー005 サンシャインイエロー」(275円)ガイアノーツの基本カラーのひとつ。発色がよくキャラクターモデルでもによく使われるラッカー系塗料の黄色

 

【次ページ】このキットのデカールは練習に最適

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