
この「暁霞 -AKIGASUMI-」が面白いのは、お香でお馴染みの日本香堂と「冩樂」などの銘酒で知られる酒蔵・宮泉銘醸がタッグを組んで作られたということ。日本香堂にある高級お香「羅國 暁霞」と同様のコンセプトで日本酒が作れないかと宮泉銘醸に依頼したことでスタートしたこのプロジェクト。香りを元に美味しい日本酒を作るのは今までにない取り組みだったそうで「味から作るのとまったく違うアプローチに戸惑い、非常に難しかった。それだけに納得のいく自信作になった」と宮泉銘醸の専務取締役・宮森大和氏は発表会の場で語っていました。
▲宮泉銘醸の酒蔵
その甲斐あって非常に香り高く、そして水のようにスッキリとした味わいの日本酒となっています。何でも、温度によっても香りや味わいが変わるよう設計しているらしく、冷やのときと熱燗のときではまるで違う日本酒のようにさまざまな味わいが楽しめます。福島県産米2種と3種の酵母を調合したことにより、この複雑かつどの温度帯でも香り・味ともに楽しめる日本酒に仕上がっているわけです。メロンなどを彷彿とさせる爽やかなグリーン系の香りとバナナのような甘さが折り重なったフルーティさに加え、長い余韻を残しつつもキリッとした淡麗な苦みと透明感。食事にはもちろん、夜時間のチルタイムにまったりと楽しむのにうってつけだということが一口舐めればわかるはず。

その香しさはまさしく高級お香「暁霞」のイメージと合致します。そしてこのお香「暁霞」と日本酒「暁霞」との相性も抜群。両方の香りのマリアージュはなんともリッチな、それでいて静かで落ち着いた気分が味わえます。
まだまだ続く“秋の夜長”。大人の趣味時間をより充実させてくれる1杯を傾けながら、まったりと自分だけの特別な時間を楽しんでみませんか? 日本酒があまり得意ではない人にこそ、ぜひ一度試してみてほしい銘酒です。
<文/手柴太一(&GP)>
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