“日傘の習慣化”を後押しするイベント「私の推し傘セレクション」が開催!アンケートで浮かび上がった最新のトレンドと今年の“推し傘”

全国各地で気温40℃超えが相次いで観測されるなど、ここ数年、とにかく暑い日本の夏! 灼けるような暑さから逃れるために、日傘デビューした人も多いのではないでしょうか。特に今年は、観光地やイベント会場だけではなく、街中でも男性が使用している姿をよく見かけるようになり、今や日傘は従来の紫外線対策としてだけではなく、暑さを凌ぐ夏の習慣として広まってきています。

そんな“日傘の習慣化”を後押しするイベント「私の推し傘セレクション」が、9月25日に東京都庁で開催。いち早く日傘を推していた小池百合子東京都知事のほか、ピン芸人のキンタロー。さんと俳優の戸塚純貴さん、さらに傘ソムリエの土屋博勇喜さんが参加するステージで、日傘利用に関する都民アンケートの発表や最新トレンド紹介が行われました。

■「日傘男子」の4割が今年日傘デビュー

イベントの序盤では、都が9月10~23日に実施したアンケート調査の結果を発表。それによると、記録的な猛暑となった今夏、都民の約7割が日傘を利用、男性の利用率は約4割という結果でした。しかも、そのうち半数が「今年から使い始めた」と回答していることからも、今年はまさに「日傘男子デビュー」の年だったのかもしれません。世代別では、30代以下の若い層で2人に1人が利用しており、日傘は性別を問わず、幅広い層に浸透していることも伺えます。

また、今夏使用しなかった人のうち、約5割が「今後は使いたい」と回答。希望する機能としては「軽量・コンパクト」がもっとも多く、次いで「遮熱性」「遮光性」が求められています。今や日傘は紫外線対策だけでなく、“健康と快適さを守るアイテム”としての価値が強く期待されているようです。

昨年から引き続き、今年も“沸とう京”をキーワードに暑さ対策を呼びかけてきた東京都。今年は多摩動物公園など都立施設を中心に、無料で日傘を貸し出す「日傘体験キャンペーン」を実施しており、小池都知事は「実際に暑さを遮ることができるということを体感したからこそ、今年は日傘男子がグッと増えたのではないかと思います」と、アンケート結果について感想を述べました。

キンタロー。さんは、美意識が高く色白肌の娘に「ママの顔ってなんで茶色いの?」と聞かれたことが使用のきっかけ。これまでは野放しだったものの、子供と肌のケアについて話すようになり、厳しい暑さ対策も兼ねてようやく最近になって日傘を使い始めたそうです。

俳優として屋外でのロケも多い戸塚さん。日傘は撮影現場で必須になっていることはもちろん、個人的にゴルフもプレイするため、今年の異常な暑さの中では日傘が手放せなかったと今夏を振り返っていました。

■推し傘から見える日傘のトレンド

少し前までは、日傘といえばUVカット率と遮光率が重視されていましたが、暑さ対策として幅広い層の人が利用するようになった昨今は、より多くの機能を求める声が大きくなっています。イベントでは、そんな声に応えるべく開発された、各メーカーの推し傘を紹介。日傘のトレンドを追求した多種多様なモデルに注目が集まりました。

暑さ対策の日傘に求められるのは、やはり遮熱性。株式会社小川の「Radi-cool」は、放射冷却素材を使用することで体感温度マイナス11℃、オーロラ株式会社の「東レ サマーシールド晴雨兼用折りたたみ傘」は、特殊三層ラミネート構造で体感温度マイナス4℃以上を実現するなど、遮熱性に長けたモデルが数多く紹介されました。UVカット率や遮光率のみならず、これからの日傘選びは遮熱性も重要なポイントになりそうです。

カーボン素材を使用した重さ約147gというWpc.の「エアリアルタイニー」や、ベルトで留める必要がなく、傘を閉じるだけでスマートに収納可能なマーナの「Shupatto アンブレラ」といった、携帯性や利便性に長けたモデルも見逃せません。通学や通勤、レジャーなど、使用シーンが多様化する中、自分にとって使いやすいものが選べる環境は嬉しい限りです。

また、日傘男子が増加傾向にあることで、男性を意識したモデルも増えてきました。小宮商店の「コットンローンシェード」シリーズは、男性でも手にしやすいシックな色合いのモデルをラインナップ。サイズも60cmあるので、体が大きな人が使用していても違和感がありません。他にも晴雨兼用の日傘も紹介されるなど、男性の日傘デビューに適したモデルが充実してきているのも、昨今のトレンドと言えるのではないでしょうか。

ユニークなところでは、帽子のように被る傘とホルダーで肩や背中に固定できる傘の2種類が登場。どちらも両手が自由になるのがポイントで、アウトドアやスポーツ観戦をはじめ、農作業やガーデニングなど、より幅広いアクティブなシーンでの暑さ対策を叶えてくれます。育児や介護の現場でも活用できることからも、今後は「手に持たない日傘」の需要が高まるかもしれません。

最後は、傘ソムリエの土屋さんがおすすめする2種の推し傘がステージを盛り上げます。サンコーの「ファンブレラ」は、シャフトから風が出るファン付きの日傘。頭の上からではなく、顔や首まわりに直接風が当たるため、快適性が高そうです。

そして、もう一つはbecauseの「bambrella(バンブレラ)」。天然の竹と廃ペットボトルをリサイクルした遮光生地を使用しており、地球に優しい晴雨兼用傘となっています。どちらも実用性と遊び心に富んでいて、まさに傘ソムリエならではのセレクトではないでしょうか。

「各メーカーの努力もあり、軽くて高機能なモデルも増えています。暑さ対策として今年から日傘を使い始めた人に続き、さらに来年は使用者が増え、そして日傘の良さを実感していただければと思います。東京都はこれから様々な形でサポートしていくので、ぜひ“暑さ対策”として日傘を活用してください」

そんな小池都知事の挨拶で幕を閉じた「私の推し傘セレクション」。すでに日傘デビューした人も、来年から使用を考えている人も、来たるべき酷暑の日々に備えて、今のうちから自分にとって使いやすい“推し傘探し”を始めてみてはいかがでしょう。

<取材・文/柿内直樹 写真/中里慎一郎>

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