【フィアット500X試乗】カワイイ見た目とは裏腹に、走りは意外と骨太

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今回ドライブしたのは、そのクロスプラス。前後バンパーのデザインにアンダーガードのイメージが取り込まれ、ツルン!とした顔付きのFFモデルと比べると、ちょっとタフな印象です。ルーフレールを備え、バータイプのドアハンドルがマット仕上げになっているのも、4WDモデルのみ。225/45R18のタイヤを履くアロイホイールも、専用デザインのものが採用されました。

ボディサイズは全長4270×全幅4250×全高1625mm。輸入車でいえば、プジョー「2008」といい勝負。国産車ではマツダ「CX-3」に近い大きさ。コンパクトですね。

とはいえ、当たり前ですけどフィアット「500」よりはひと回り、いや、ふた回り大きい。運転席に座るとドライバーの視点が高く、ちゃんとSUVしています。ステアリングホイールは、上下のみならず前後にも調整可能なので、好みのドライビングポジションを取れるでしょう。

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シートは小ぶり。運転席まわりは適度にタイトな空間で居心地良好。さらに、濃淡のあるこげ茶のレザー内装がイタリアンらしくシックで、クルマのグレードをワンランクアップさせています。

走り始めると、このクラス初の9速ATが滑らかにギヤを変えていき…といいたいところですが、1〜3速くらいまでの低いギヤでは、特にドライブトレインが冷え切っているスタート直後に少々シフトショックを感じます。

トランスミッションに関してもう1点。赤信号へ向かっての減速時などには、できるだけエンジンブレーキを利かせようという配慮か、ギヤを落としていくタイミングが早い印象です。メリハリの利いた運転にはいいと思うのですが、ドライバーの気分がリラックスしたイージーモードの時には「そんなに頑張らないでも」と思わないでもありません。

といっても、いずれもフィーリングに関する話であり、機能面での不自由はありません。今後のアップデートで改善されていくと思いますので、今後のブラッシュアップに期待しましょう。

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500Xは、シフトレバー後方にドライブモードならぬ“ドライブムードセレクター”を備えます。「オート」「スポーツ」「トラクション」から選べ、変更はダイヤルを回すだけ。雪道を行く時などは心して臨めるのがいいですね。クロスプラスの場合、通常以上に後輪への駆動力伝達が積極的に行われ、走破性を向上させます。

フィアットが“マルチエア”とネーミングしたクロスプラスの1.4リッターターボエンジンは、FFモデルと比べてプラス30馬力&2.0kg-mの、最高出力170馬力/5500回転、最大トルク25.5kg-m/2500回転を発生。1460kgのヨンク500Xを力強く運んでくれます。

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おそらく、フィアット初のコンパクトSUVということで気合いが入ったのか、乗り心地は意外にハード寄り。高い視点で、ボディがユラユラ動くのを嫌ったのでしょう。といっても、不快なほどの硬さはなく、むしろ、カーブが続く山道や高速道路でも不安なく走れます。

さて、日本には、フィアット500のコンパクトMPV版「500L」が輸入されていないので、後席が実用的な4ドアSUV、500Xは、子供が生まれた、または育って大きくなってきた従来のフィアット500オーナーの方々には、次の愛車候補として「待ってました!」といったところでしょう。また、これまで「フィアット500はかわいいけれど、さすがに小さすぎる…」と考えていた人にも、きっと有力な選択肢となるはずです。

<SPECIFICATIONS>
☆クロスプラス
ボディサイズ:L4270×W1795×H1625mm
車重:1460kg
駆動方式:4WD
エンジン:1368cc 直列4気筒 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:9速AT
エンジン最高出力:170馬力/5500回転
エンジン最大トルク:25.5kg-m/2500回転
価格:334万8000円

(文&写真/ダン・アオキ)

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