写真ではわかりづらいのですが、バーナー部分を取り除くと二重構造になっていて、パイプの空洞も確認できます。
芯に着火するとまず燃料を含んだ芯が燃え、徐々にグローブ内の空気があたためられます。そのうち煙突に向かって上昇気流が発生。トップフードの穴から取り込む空気は、燃焼によってあたためられています。新鮮であたたかい空気は両側パイプを伝ってタンクに向かい、燃料をあたためつつバーナー部分に送られています。
バーナーに新鮮な空気を送りながら、循環する空気が燃料をあたためる。空気が2つの働きをすることで寒くて風のある日でも安定して燃焼するんですね。
複数の会社からストームランタンが製造されていますが、基本の構造は同じです。
■面倒くさがり屋さんにうれしい超簡単着火
着火はとっても簡単。芯にライターやマッチの火を近づけるだけで、ポンピングやマントルの空焼きといった“儀式”は不要です。
燃料は灯油かパラフィンオイルになります。
パラフィンオイルのほうがやや高価ですが、ススが出にくく、引火点も95℃以上(灯油は40℃以上。ガソリンの引火点は-38℃)でより安全に持ち運び・保管ができるというメリットがあります。
ジョウゴやスポイトなどを使ってタンクに注ぎます。
タンク注入口の下、約5mmまで注げますが、タンクは密閉できていないので、満タンにするとつなぎ目から燃料が漏れる危険性が高まります。
どうせ使用後は燃料を抜かなくてはならないし、そもそも燃焼時間は約20時間。50~70%程度に抑えておくと手間がかかりません。
注油口のキャップを閉めたら、左側にあるハンドルを手前に倒して切欠に引っかけます。これで芯が見えますね! 注油口右側にもハンドルがあります。これを回すと芯の長さを調整できるので、時計方向に1回転させて1~2mm伸ばしておきます。
ライターやマッチの炎を近づけて着火。たき火の中から薪を一本取り出し、着火する人たちも結構いるようです。
あとはハンドルを元に戻せばOK。芯を伸ばせば炎は大きく、芯を短くすれば小さな炎になります。芯が見えないくらい短くすると、消火。直感的に操作できます。
■キャンドルのようなゆらぎにホッとする
手軽に使えるストームランタンですが、決して大光量ではありません。これひとつだけだと少し心許ないかもしれません。
明るさは5W。コールマンのワンマントルランタンで130W、明るいと言われる1000ルーメンのLEDは70W程度。そう考えるとストームランタンの明かりはやはり非力です。
けれどもマントルを通すことのない炎、LEDとは違う燃焼による炎は見ているだけで落ち着きます。ファミリーキャンプのメインには心もとないですが、サブとして使いたくなるのも納得。それに、自分の周りだけを照らせばいいソロキャンプであればメインにもなり得ます。