進化したシーラカンス!? ロイヤルエンフィールド「クラシック350」独自のフィーリングを味わう

■本物のクラシックバイクのような雰囲気

「クラシック350」は、その名の通りクラシカルな雰囲気を前面に出した同ブランドの看板車種です。搭載されるのは350ccの空冷単気筒エンジン。ティアドロップ型のガソリンタンク、前後スポークホイール、カバーのついたフロントフォークやリアのツインショックなど、本物のクラシックバイクのような仕上がりが魅力です。

エンジンをかけると、空冷単気筒らしいパルス感のある排気音が耳に届きます。音だけでなく、適度な振動も体に伝わってきて、内燃機関を動かしているという気分が高まります。前方に位置したステップと、樽型のグリップ、少し太めのレバー類もクラシックバイクに乗っているような雰囲気です。

最高出力は20.2PSですが、ロングストロークの単気筒でクランクマスも重いため、低回転域からしっかりと車体を押し出す力強さを感じます。高回転まで引っ張ってパワーを稼ぐよりも、早めにシフトアップしながら鼓動感を楽しみながら走るのが似合う。といっても、鈍重な印象ではなく、交通の流れをリードできるキビキビした加速感も併せ持っています。

2025年型からは、シンプルなメーターの下部にシフトインジケーターも表示されるようになり、スマホなどを充電できるUSBポートも追加に。ライダーにとっての利便性が向上しました。ヘッドライトなどの灯火類もLED化。昔ながらのハロゲンライトの光が好きだったというファンもいるようですが、暗い道での安心感も向上しています。

カラーバリエーションは合計7種類用意されていますが、筆者が乗ったクローム・シリーズ(72万8200円)は、クロームメッキのフェンダーやガソリンタンクが、キャブトンタイプのマフラーなどと相まってクラシックな雰囲気を強く感じさせます。セパレートタイプとされたタンデムシートも、1950年代の旧車っぽさを漂わせています。

近年、ホンダ「GB350」がヒットとなったこともあって、このクラスの空冷単気筒モデルが注目を集めています。実は「GB350」もインドでロイヤルエンフィールドに対抗するために導入されたモデル。それだけ、市場では存在感のあるブランドでもあるのです。なかでも「クラシック350」は、クラシックなフィーリングを味わいたいファンには気になるモデルのはず。一度実車に触れてみて、その独自のキャラクターを体感することをおすすめします。

●SPEC
・サイズ:2145×785×1090mm
・シート高:805mm
・車両重量:195kg
・エンジン:349cc空冷単気筒OHC
・最高出力:20.2ps/6100rpm
・最大トルク:27Nm/4000rpm
・価格(税込):69万4100円〜

<取材・文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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