【アウトドア銘品図鑑】
馴染みがあるカセットこんろだけれど、アウトドアでは風に弱くて今ひとつ…そんな常識を覆したイワタニ。2009年には大型風防を備えた「マーベラス」を発売。その後もダブル風防を備えた「風まる」、耐荷重20kgでダッチオーブンを載せられる「タフまる」、ホットプレート「焼き上手さん」ほか、キャンプでも使える愛され商品が続々登場しています。
なかでもキャンパー人気が高いのは、風に負けず、耐荷重抜群の「タフまる」(1万1000円)。
「網焼プレート」「焼肉プレート」なんていうオプションが豊富で、風が強くて炭を熾せないようなときだってバーベキューを楽しめる優れもの。もちろん自宅バーベキューにも役立つのでファミリーキャンパーが選ばないはずがない!
しかも、「タフまる」唯一の弱点と言える鍋底φ16cm以下の小さな鍋が載らないことが、2025年春に登場した「タフまるXG」(1万1990円)では解消されたと聞きます。
いったいどんな風に変わったのでしょうか? サンプルを取り寄せてみました。
■違いはケースにもあらわれている
私物の「タフまる」と新作「タフまるXG」を携えて近くのキャンプ場へ行ってきました。サンプルのXGは似たようなケースに入って送られてきたので、混乱しそう…と思いましたが、よく見るとケースのデザインが違います。
▲[タフまる」(左)と「タフまるXG」(右)
ジェリ缶みたいなケースはどちらも376×341×136mmですが、「タフまるXG」の凹凸デザインは中心が繋がっています。「タフまる」ユーザーが「タフまるXG」を買い足したときもこれならケースだけで判断できます。
▲[タフまる」(左)と「タフまるXG」(右)
ケースのデザインは五徳のデザインと連動していました。五徳がバーナーの中心近くまでせり出していて、前後の五徳が繋がった"ほぼX型"で、グループ企業が扱うプリムスの五徳を彷彿とさせます。五徳に刻まれた滑り止めの刻みも、「タフまるXG」のほうが長い。
▲サイズはどちらも341×283×129mm
幅、奥行き、高さは同じですが「タフまるXG」はつや消しの黒をまとっています。
「タフまる」の濡れツヤ感もいいですが、光の反射がなくなるとミリタリー感が増すというか、天板が映り込まないためでしょう、精悍で存在感が増します。
▲[タフまる」(左)と「タフまるXG」(右)
よく見るとツマミのデザインも変わっていました。「タフまる」は指が引っかかりやすいようコロンとした十字なのに対し、「タフまるXG」はシンプルな丸。微調整しやすくなっています。また、表示も英語表記で、火力はラインの数で示すなどデザイン性アップ。ちなみにON/OFF表示しかありませんが、ON側にカチッと音がするまで回せば自動点火するのはほかのカセットこんろと同じです。
これだけよく似ているのに、重量は「タフまる」が2.4kgで「タフまるXG」は2.2kgと200gも軽くなっています。
五徳が伸びたので重くなってもおかしくないのですが、ガラス質を焼き付けるホーロー加工ではなくなったこと、そしてナノセラミック塗装となったことがその理由だとか。塗装ひとつでここまで変わるとは。
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