■泥臭さがない!沢の水がおいしい!
出発から約1時間後、そろそろ喉が渇いたなという頃に、沢で「ビーフリーAC」体験スタート。
▲わざと水をかき混ぜて泥水をくむヨハン
「ビーフリー」シリーズはオレンジジュースを通すと無色になるほど高性能なフィルターを搭載していて、濾過能力は1000L。とはいえ土など余計なものが増えると目詰まりしちゃうので、できるだけ透明な水をくむのがセオリーなのですが、ヨハンはデモンストレーションということもありあえて泥水チャレンジ。

そしてためらわず口にします。さすが。

使い方をおさらいしましょう。
ソフトボトルに水を汲んでからフィルターが付いたマウスピースをねじ込み、ボトルを絞ります。たったこれだけで濾過されたきれいな水がストレスなく出てきます。
さすがにヨハンみたいにジャバジャバ水をかき混ぜて泥水を作るのはためらわれ、少しだけ土が漂う水で試しましたが、思っていた以上に飲める。というかまろやかでおいしい。イヤなニオイも感じませんでした。
そして1週間以上たった今もおなかを下すなんて事件はありません。よかった…。

フリーズドライのデザートは濾過しただけの水を注いで5分。ほどよい甘味が身体に染み渡ります。
こうした使い方ができるのっていいかも。
▲災害時に入手しやすい灯油で湯沸かし
泥臭ささのないおいしい水を確保できるので、水次第で味が変わる炊飯や日本茶を淹れたりしても問題ないでしょう。
使用後はボトルにきれいな水を入れて振り洗いします。
▲中央の黒いかたまりが活性炭フィルター
中のフィルターはやさしく水洗いするだけという簡単メンテナンス。
活性炭は200L/水通しから3カ月、ホロファイバーフィルターは1000Lが交換の目安ですから、ペットボトルよりも断然低コストでエコだと言えるでしょう。
■コンパスと地図、GPSサービスも忘れずに
藪漕ぎの途中、佐々木社長が参加者に「山道を歩いていて道に迷った。さてどうする?とイメージしてください」と声をかけていました。
「ビーフリーAC」があれば飲み水の心配はなくなりますが、自分の位置がわからないと動きがとれず絶望しかありません。

コースの途中でスマホがしょっちゅう電波をつかまなくなったので、たとえ低山であってもコンパスと磁北線を引いた地形図は必携。沢の分岐やトレイルの形などから自分がいる位置を知る観察力も磨いておきましょう。
夏になると遭難のニュースをしょっちゅう目にします。ビギナー向けの山であっても迷う危険は0ではありません。

できれば、家族や友だちが通報するとドローンやヘリコプターで居場所を探してくれる山岳捜索サービス「ココヘリ」にも加入しておきたいところ。スタンダードプランは入会金3300円+年会費6600円。決して高くはありません。

ヘリコプターやドローンの音が聞こえたらコンパクトな発煙筒「ポッケム」の出番。樹林帯でも赤い煙で位置を伝えやすくなるんですね。
あとは熊よけスプレーがあればベストかも。
リスクに備えると荷物がどんどん増えちゃうのが悩ましい…と思いましたが「ビーフリーAC」と「ココヘリ」「ポッケム」を合わせて約150g。熊よけスプレーを追加しても500g以内に収まります。
「ビーフリーAC」はくるっと丸めて持ち運べるし、弱点と言われていたニオイも活性炭のおかげで大幅に低減。そのままゴクゴク飲めます。
日本は川の数が多く、山道を歩いていると湧き水スポットにぶち当たることは珍しくありません。ルート次第ですが、低山ハイクや釣行であれば、わざわざ大容量のボトルに水を詰めて背負わなくても容量500mlの「ビーフリーAC」を1〜2本用意しておけば事足ります。軽快に走るトレランにも威力を発揮しそう。
“備え”としてしまい込んでいるのはもったいない! 週末の山歩きに活躍しますよ。
>> カタダイン
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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