東京・麻布台に店を構える『メゾン ランドゥメンヌ』は、フランス仕込みのパンの製法を大切にしながら、日本の街に根づくブーランジェリー。
ガラス越しに並ぶパンを眺めていると、どこかパリの日常に触れているような感覚になります。看板商品のクロワッサンは、華やかさよりも毎日の食卓に自然となじむ味わいです。
▲焼きたての香りが漂う棚には、クロワッサンをはじめ日常に寄り添うパンがずらり
麻布台店は大きな窓から光が入り、気軽に立ち寄れる開放的な雰囲気です。
フランスや日本をはじめ、さまざまな国籍のスタッフが日々意見を交わしながらパンをつくっており、本場の技術と多様な感性が自然に溶け合っている印象。
▲フランスの技術と多様な感性が息づく、麻布台店の温かな店内風景
店内には焼きたての小麦の香りが広がり、普段の暮らしの中で気軽にパンを選びたくなる空気感があります。
■軽やかさが最後まで続くクロワッサン

多くのクロワッサンは、最初にサクッとした歯触りがあり、その後は層が重なりながら食感が変化していく印象があります。
しかしメゾン ランドゥメンヌのクロワッサンは、ひと口めの軽やかなサクサク感が最後まで続きます。層は軽く、口の中で崩れるようでありながら重たさが残りません。
甘さは控えめで、主役はバターの香りです。食べ進めるほどに豊かな香りが広がり、毎日でも食べたくなるような自然な味わいでした。
■バゲットとアルヴォレナチュールに込められた職人の哲学
また、店ではバゲットやアルヴォレナチュールについても伺いました。バゲットは、機械化によって品質が変化した時代を経て、伝統的な製法を守る「バゲット・トラディション」が生まれた背景があるそうです。アルヴォレナチュールは「これが焼けたら一人前」と社長が語るパンで、職人の技術が表れる存在だと教えていただきました。
▲アルヴォレナチュールが並ぶ棚。シンプルな見た目に、職人技と伝統が息づいている
店内はどこか生活感のある雰囲気で、それがむしろ日常のパン屋らしく感じられます。
整いすぎていない空気や、人の動きが感じられる距離感は、パリの街角にあるブーランジェリーにも通じるものがあります。フランスの空気をそのまま再現するのではなく、日本の街の中で自然に根づいている。それがこの店の魅力なのです。
▲焼きたてのクロワッサンは、特別な一皿というより、日々の食卓にそっと寄り添う存在
メゾン ランドゥメンヌ麻布台店は、特別感がありつつも、どこか日々の暮らしにすっと馴染むブーランジェリー。クロワッサンの軽やかなサクサク感とバターの香りが、その姿勢を象徴しているように感じました。
●SHOP INFO
メゾン ランドゥメンヌ 麻布台
住:東京都港区麻布台3-1-5
TEL:03-5797-7387
営:8:00~16:00、土日8:00~18:00
休:12/31は短縮営業、1/1〜3は休業(※年により変更あり)
●著者プロフィール

市川あき|フードアナリスト一級と調理師資格の知見をもとに、作り手の想いや食材の背景にある文化や価値観に目を向けながら、食と社会のつながりを読み解き、素材の先にある風景や人の営みに思いを巡らせ、余韻の残る食体験を伝えている。note




















