■外皮の製作
キットは、骨格に外皮を被せられるのがセールスポイントになっています。着ぐるみではなくマッシブなゴジラの存在感と内部の骨格といった印象があり、外皮は骨格と並べて楽しむこともできます。
『ゴジラ×コング新たなる帝国』のゴジラはCGで製作されていますが、ゴジラのデザインを手がけた西川伸司氏は「直立歩行するモンスター・ヴァースの骨格は、極論すれば着ぐるみの中の人間と同じようなものになるはずで、それはメタ的な視点であると同時に外せない本質であります」とインスト内でも語っていますが、それでいて圧倒的な存在感と迫力あるポーズをキットの外観パーツは見事に再現しています。
外観パーツは、骨格モデルを収めることを考慮しつつ、パーツの合わせ目が極力目立たないように工夫されているため、分割が特徴的で、プラモデルの組み立てというよりもパズルの印象があります。それでも生物的な質感はさすがバンダイと言った感じです。
■外観を組み立てる
外観はまず、骨格を収めないで状態で組んでいきます。パーツの精度が高く、組み合わせもピタリと決まりますが、ゲートの跡が残っていたりすると隙間が生じてしまうので、切り出しの際にはゲートの処理を丁重に行います。製作は腕→胴体(背びれ含む)→脚→頭部の順番で進めます。
黒に近いグレーで成形された外皮パーツの切り出しから外皮の完成までは約1時間(塗装はしていない)といったところでしょうか。骨格同様にサクサクと組み立てられます。
面白いのは頭部のみ頭蓋骨?を入れて製作するようになっている点で、これは咆哮するゴジラの口内も再現しているためです。口内は色プラで舌も再現されています。
▲外皮は腕から組み立てをスタート
▲パーツを切り出した際のゲート処理は丁重に行いたい
▲背びれは一体成型の左右合わせとなっている
▲3つのブロックで組み上げた背びれを背中にハメ込んでいく
▲背びれを組み付けた背中側と腕を組みつけた胴体前半分を組み合わせていく
▲まるでパズルのようだ
▲尻尾は内部に骨格が入るため複雑なパーツ構成となっており、9パーツを組み合わせていく
▲胴体と組み上げた尻尾を合体した状態。尻尾の巨大さがよく分かる
▲両足を組み上げて胴体と組み合わせる
▲口腔内は3パーツで構成。舌パーツも微妙にトーンの違う赤で成型されており、塗装しなくてもリアルだ
▲頭部は4パーツで構成
▲頭蓋骨に外皮パーツ4点を組み合わせて頭部が完成する
▲完成した頭部。目は塗装したいところ
▲首に頭部を取り付ければ外皮が完成となる
▲完成したゴジラの外皮
▲咆哮ポーズは迫力満点。黒に近いグレー一色の体の中にあって口腔内の赤が良いアクセントとなっている
■外皮もMr.ウェザリングカラーでウォッシングして質感を表現
完成したゴジラの外皮ですが、重量感ありありの皮膚の質感とか非常に良い感じです。ただそのままではやはりプラスチックな光沢なので、骨格同様にMr.ウェザリングカラーでウォッシングして質感を整えます。
▲無塗装でも良い感じなのだが、質感がプラスチックなのが辛いところ。全面塗装ではなくウォッシングを施すことで、皮膚の質感もキング・オブ・モンスター ゴジラらしい雰囲気が強調される
▲骨格モデルとは異なり、外皮は組んだ状態でウォッシングを入れていく。使用したのは骨格モデルと同じグレイッシュブラウン。手足の爪と背びれはグランドブラウンを塗装している。また背びれの付け根や皮膚の重なっている部分は影色としてマルチブラックを薄く使用した
▲頭部も繊細なディテールを活かすようにグレイッシュブラウンを塗装。綿棒で凸麺を拭きとり、質感に変化をつけている
■モンスター・ヴァース版ゴジラの外皮が完成!
キットの外皮ディテールがしっかりしていることもあり、ウォッシングを施したことでグッとモンスター・ヴァース版ゴジラの筋肉の塊みたいなマッシブなフォルムが強調されたと思います。グレイッシュブラウンと外皮の黒に近いグレーとのバランスもいい感じです。
というわけで今回はここまで、次回は外皮内部に骨を収めてみます。またせっかくのゴジラですからディスプレにもこだわってみたいと思います。お楽しみに!
▲骨格モデルとのツーショット。迫力のある咆哮するゴジラが見事に再現されている
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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