『紅の豚』“アジトのポルコ”のヴィネットを筆塗りで製作!【達人のプラモ術<アジトのポルコ>】

【達人のプラモ術】
ファインモールド
紅の豚 アジトのポルコ
01/04

さて今回のお題は、ファインモールドが発売した「スタジオジブリ ヴィネットコレクションNo.1 紅の豚 ポルコ・ロッソ『アジトのポルコ』」(4180円)。今年3月に発売された、海洋堂とのコラボレーションキットとしても注目のプラモデルです。そのまま組んでもよし! 塗装にこだわってもよし! というキットですが、そこはひと捻り、アクリルガッシュを使った筆塗りでヴィネットの魅力を引き出していこうと思います。ではでは製作スタート!(全4回の1回目)

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
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■注目! スタジオジブリヴィネットコレクションシリーズ

映画『紅の豚』は、スタジオジブリが制作し1984年に公開されアニメ映画です。監督は宮崎駿氏で「飛べない豚はただの豚だ」の台詞でもよく知られています。

今年2023年は劇場公開からもう30年になるんですね。達人的には劇場で3回、その後TVやDVD、ブルーレイも購入して20回以上は観た作品です。

プラモデルメーカーのファインモールドは以前からスタジオジブリ作品を模型化しており、『紅の豚』ポルコ・ロッソの愛機「サボイアS.21」や劇中でのライバルとなるカーチスの「カーチス3C-0水上戦闘機」などもキット化しています。

そんな同社のスタジオジブリシリーズに新たに加わったのが、劇中シーンをモチーフに、フィギュア制作のパイオニアにして最大手の造形集団でもある海洋堂とのコラボレーションによりプラモデル化された、“スタジオジブリ ヴィネットコレクション”です。

その第1弾が、この「紅の豚 ポルコ・ロッソ『アジトのポルコ』」。劇中冒頭のシーン、空賊マンマ・ユート団の登場を知らせる電話をアドリア海の無人島にあるアジトで連絡を受けるポルコ・ロッソを、香川雅彦氏のハンドメイド彫刻による原型をデジタライズにより金型加工、劇中のイメージそのままに立体化。作りやすさも重視した、ビギナーでも楽しめるキットとなっています。

 

■「ヴィネット」とは

ヴィネットという言葉、あまり耳慣れないかもしれませんが、ジオラマ…「情景模型」のひとつです。ひとつのシーンを切り取って、テーマとなる素材にそれを引きたてる要素を最小限にまとめて、作品の世界観を魅せる凝縮した情景モデルになります。以前このプラモ術で製作したブガッティ エアレーサーもヴィネットとして制作していました。

▲紅の豚 ポルコ・ロッソ『アジトのポルコ』の完成サンプル。劇中冒頭のシーン無人島のアジトで連絡を受けるポルコを、キットでは見事なヴィネットにまとめ上げている

 

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