■キットに関して
ここ数年勢いのあるエアフィックスは、自国イギリスの飛行機は出来が良いとの言葉とおり、1/48ガネットも期待を裏切らず、細部までこだわりを感じられる優良キットです。価格が1万円超えといささか高価ではありますが、機体のボリュームとディテールを考えると、昨今の輸入プラモの中では許容範囲内の価格と言えるでしょう。
新しいキットということもありパーツの精度も高く、またコクピットなどディテールが集中している部分は組みやすさを重視しています。ガネットの特徴でもあるZ型に折りたたむ主翼は、展開状態と折りたたん状態の選択式となっており、翼断面のディテールもしっかりと再現されているのがありがたいですね。また胴体後部のソナードームも下げた状態を再現できるなどこだわっています。作るのであればやはり主翼はたたんだ状態で作りたいところです。
強いて難点を挙げるなら、塗装指示が相変わらずハンブロールカラー(イギリスの模型塗料メーカーでエナメル塗料)での色名表記なので、タミヤカラーやMr.カラーで塗装するには色の互換表を自身で作る必要があるのがちょっと面倒です。
デカールは部隊違いで3タイプ用意されています。またキットの発売に伴い、社外メーカーから専用デカールとディテーアップ用のエッチングパーツなども発売されています。
▼メーカーの完成見本

▲塗装図。ガネットと言えば、やはりダークシーグレーとダッグエッググリーンのツートン、言うところのペンギンカラースキムが良く似合う。デカールは3種類が付属している
■製作開始!まずはコクピットから
さっそく製作をスタート。飛行機プラモのお約束でコクピットから進めていきます。先にも書いたようにインストの各パートで塗装の色名指示がされているのはありがたいのですが、馴染みのないハンブロールカラーで書かれているので、インストにMr.
カラーの番号を書き込んでおくと、塗装作業が楽になります。
■尻もち防止用オモリを忘れないこと!
キットは非常にテールヘビーなので、コクピットフロアの下側とエンジン後方に尻もち防止用のオモリを積むスペースが設けられているのはありがたい。今回は釣り用の板ナマリを収納スペースサイズにカットしたものを詰め込みました。大手模型店で販売している模型用粒状のオモリも小さな隙間に詰め込めるのでお勧めです。指定では12g+55gの67gを積めとなっていますが、念のため70gを積んでいます。ただし、1/48スケールのモデルとしてはかなりの重量があるので、前脚にかかる荷重が不安です。
▲製作に際して、事前にインストにMr.カラーの色名を書き込んでおくと、塗装の際にいちいちハンブロールカラーとの互換表をチェックせずに済む
▲尻もち防止ための合計67gのオモリを載むように指示が書かれている
▲67gは1/48スケールの飛行機のオモリとしてはかなりの重量だ
▲コクピットフロア下のオモリスペースに板鉛をカットして詰め込んだ

▲コクピットは基本、黒が指定色だが、作例ではブラックグレーを塗装してミディアムグレーでドライブをかけ、パーツのディテールのエッジを際立たせている
▲ウェポンベイ内部など機体内は明るいグリーン系だが、黒を下地に塗装することで使い込まれた雰囲気を再現
▲ウェポンベイの隔壁も細かなディテールが入っているので、細かく塗り分けておく
▲計器盤のメーター類は付属のデカールで再現。スイッチ類は筆塗り。乾燥後にクリアーをメーターに塗ることでガラスの質感を表現
▲計器盤、隔壁、操縦桿、シートなどを指定色で塗り分ける
▲ガネットの主翼は中翼配置なので、コクピットフロアとウェポンベイの間に主翼取り付けのための桁が組み込まれている
▲機体内にコクピットフロアを組み込んだ状態
▲胴体内部を貫通する桁は剛性が高いので、主翼をしっかりと接着できる
▲コクピットフロアを胴体に仮り組みした状態。まだシートベルトを取り付けていない
■次回は主翼を製作
というわけで今回はここまで。いや~今回キットを組んでみて、ガネットはやっぱりカッコいいと飛行機だと再認識しました。個人的な意見ではありますが、端麗なフォルムのスピットファイアより、超個性的なフェアリーガネットに惹かれるんです。ビバ!英国面!

次回はガネットのアイデンティティともいえる主翼の製作を進めます。お楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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