■「F-104 スターファイター」とは
1950年代に登場した第2世代のマッハ2級ジェット戦闘機で、エンジン直径ギリギリまで絞り込まれた胴体に短い矩形の主翼、垂直尾翼上端に配された水平尾翼、搭載されたゼネラル・エレクトリック社の強力なJ79型エンジンを一基搭載し、 当時見るものに強烈なインパクトを与えた機体です。
初飛行は1954年。その高速性能からアメリカ同盟国や友好国の多くで採用されるベストセラーとなり、航空自衛隊でも採用されていました。当時日本国内では、F-104の高速性能とミサイルのようなスタイルから『最後の有人戦闘機』と称され(三菱がライセンス生産を行っていたこともあり、空自の整備現場では“三菱鉛筆”とも呼ばれていました)、1986年まで防空任務の第一線で活躍。国内のライセンス生産された機体を含めて230機が運用されています。
1960年代に勃発したベトナム戦争のほか、第二次、第三次印パ戦争等の実戦に投入され、イタリア空軍の機体が退役する2004年まで半世紀渡り活躍し続けました。皮肉なことにアメリカでは、アビオニクス(航空電子機器)の拡張性に乏しいことや、航続距離の不足などの問題から1969年に全機退役しています。
■実機の鏡面のような質感をいかに塗装で再現するか
今回は塗装にポイントを絞っているので、キットはほぼストレートに製作しました。コクピットと射出座席のみ、レジン製のエジェクトシートを奢っています。
実機の写真を見ると、機体にもよりますが、まるで鏡面仕上げのように磨き上げられています。これを塗装で再現するために、メッキ調の仕上げになる模型用塗料、ガイアノーツ「プレミアムメッキシルバー」をメインに、Mr.カラー「Mr.メタルカラー2」をブレンドした塗料を使用しました。「プレミアムメッキシルバー」だけで塗装すると完全なメッキ調になり逆の意味で不自然になってしまうため、Mr.カラーの「Mr.スーパーメタリック2(スーパークロームシルバー2)」を20~30%ブレンドすることで、磨き上げられたアルミの質感を得ています。
まずツヤアリ黒のサーフェイサーで下地塗装。そこにブレンドしたメッキシルバーをエアブラシで重ねています。
乾燥時間をしっかりと取り、実機写真を参考にしながら機体のパネルごとにマスキングを施し、Mr.カラー「Mr.スーパーメタリック2」のスーパージュラルミン、スーパーアイアン2などを適時ブレンドして色調を調整したカラーで塗り分けています。
塗装面を乾燥させたのち、エナメルの墨入れ塗料で軽くウォッシングを施してパネルラインを強調しています。
▲鏡面に近い仕上げは、下地のわずかな研ぎ傷も目立ってしまう。今回、インテーク周りの継ぎ目処理で手こずり、なかなか傷が消えず、結果4回塗装をやり直している
▲塗装後、エナメルでのウォッシングでパネルラインを強調し、ギラギラしすぎない使い込まれたきた機体の外板を再現
▲エアブレーキから後ろの胴体外板がエンジン熱でやや茶色がかっているのがF-104なので、調合した焼色で丁重に塗り分けている
▲キットは固定武装のM61A 20mmバルカン砲が再現されているので、アクセスカバーをオープン状態で製作
▲エアブレーキも開状態とした
▲アメリカ空軍のF-104は迎撃任務用に、主翼端にAIM-9サイドワインダーを装備している機体が多いのだが、個人的にはF-104は大型の翼端増槽がいちばん似合うと思っている
▲主脚カバーは開いて脚を出したあとは再び閉まるので、これが正解
▲キットはコクピット後部の電子兵装ベイも再現されている。キャノピーは現用機では珍しい横開き(手動!)となっている
■悩ましきはクリアーによるオーバーコート塗装
塗装の乾燥後にデカール張りでフィニッシュ。通常であればデカール保護のためクリアーでオーバーコートするのですが、銀塗料の質感が変質するリスクを防ぐために、今回はクリアーによる塗装を行っていません。
▼今回ナチュラルメタルの再現で使用した塗料

▲ガイアノーツ「GP-07 プレミアムメッキシルバー」(1320円)※ラッカー系
▲ガイアノーツ「メタリックカラー 121 スターブライトシルバー」(385円)※ラッカー系
▲GSIクレオス「Mr.カラー スーパーメタリック2(スーパークロームシルバー2)」(352円)※ラッカー系
▲GSIクレオス「Mr.カラー スーパーメタリック2(スーパーアイアン2)」(352円)※ラッカー系
▲GSIクレオス「Mr.カラー スーパーメタリック2(スーパージュラルミン)」(352円)※ラッカー系
▲GSIクレオス「Mr.カラー スーパーメタリック2(スーパーステンレス2)」(352円)※ラッカー系
▲GSIクレオス「Mr.カラー スーパーメタリック2(スーパーファインシルバー2)」(352円)※ラッカー系
■ナチュラルメタル塗装のススメ
今回はビッグスケールのF-104を使い、ナチュラルメタル(無塗装金属)の機体を塗装で再現してみました。
ナチュラルメタルの機体は、
銀塗装の楽しみが広がりますよ。
さて『達人のプラモ術』次回は何を作りましょう? 乞うご期待です!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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