■キャビントップの製作
キビシ~!と叫びつつ、なんとか艇体を組み上げたら、キャビンのトップ(カバー)の製作を進めます(製作工程21)。内側をグレー、外側をオリーブグリーンで塗装したのち、ウインドパーツを接着していきます。パーツは13枚もあるのでなかなか手間が掛かります。
クリアパーツは透明度が高いのですが、接着しろが少ないので、接着の際に曇らせないように注意が必要です。作例では硬化後も透明度を維持できる「アロンアルファ光」を使用しています。
クリアパーツは、接着後にマスキングをして窓枠を塗装しなければいけないので、この時点ではワイパーを取り付けていません。
同時に、キャビントップの前面に設けられている折りたたみ式の乗降用ブリッジを製作していきます。この部分は、展開した状態か、折りたたみ格納された状態かを決めてパーツを選択する必要があります。
ブリッジを展開した方がキャビン内部が見えるのですが、今回の作例はジオラマで水上走行中を製作するので、格納状態で製作しています。
当初キャビントップは取り外し可能もするつもりでしたが、ルーフ上にエンジンが搭載されるため、取り外しは諦めました。6個のパーツで製作してデカールまで貼った4つの弾薬箱がほぼ見えなくなるなー、などとボヤキつつ製作を進めます。
キャビン内部にフィギュアを乗せるので、現時点ではキャビントップは接着していません。
▲ウインドウパーツは13点、透明度も高く歪みもない。また全てキャビン外側から接着するようになっているのはありがたい
▲曇りを防ぐため、クリアパーツの接着には、光硬化タイプの瞬間接着剤「アロンアルファ光」を使用。万が一はみ出ても硬化後に曇らず透明のままなのでウインドウパーツを汚さずに済む
▲ウインドウパーツの取り付けが完了。この後マスキングを施して、窓枠部分を塗装する
▲キャビンにはフィギュアを乗せるため、この時点では艇体に接着していない
▲キャビン前面に乗降用のブリッジが折りたたまれている。水上から一気に地上まで走行可能なPACVならではといった特徴だ
▲キットでは乗降用のブリッジが格納した状態か展開した状態の選択式になっており、それぞれパーツも異なる。作例は格納状態をチョイス
▲乗降用ブリッジを格納した状態(画像は仮組み状態)で製作
■ジオラマベースの製作その1
艇体の組み立てに四苦八苦しつつ、パーツの乾燥時間を利用してジオラマベースの製作を進めます。ボックスアートを参考に、派手な水煙をあげながら水上から上陸してくるPACVといったイメージです。
水面ジオラマは本連載「達人のプラモ術」ではお馴染みですよね。今回もスタイロフォームをベースに水面を製作していきます。
しかし1/35のPACVはそれなりに大きいので、ベースは四つ切パネルサイズ(424×348mm)となりました。
▲四つ切パネルサイズにカットしたスタイロフォームが水面のベースになる。艇体は斜めに配する
▲キットのスカート下回りが収まるサイズにスタイロフォームをカット。スタイロフォームの端切れ利用して水面の波頭となる部分を貼り付けている。左側の盛り上がっている部分は陸部分となる
▲走行中のホバークラフトは艇体のほんとんどが水面に浮いた状態となるので、スカ―トが沈み込み過ぎないように注意
■最大の難所は切り抜けた…はず
前回続き艇体の組み立て編でしたが、思っていた以上に難儀させられました。最近は海外メーカーのキットの精度や質も向上しているのですが、今回のようなトラブルは良くも悪くも海外製キットあるあるです。
次回はエンジンやラダーの製作など艇体の艤装を進めつつ、海面ジオラマの製作を進めます。それにしても海外メーカーに直接注文したフィギュアが予定日過ぎても届かないんですよ…。一抹の不安を感じつつもPACVの製作、次回をお楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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