ル・マン24時間レースでの夜明けのサーキットを表現したローラン・フェリエ機械式時計

名門パテック フィリップで37年間設計者を務めたのちに独立し、2008年に自らの名を冠したブランドを設立したローラン・フェリエ。エレガンスをたたえたデザインと妥協を許さないものづくりの精神が生み出すコレクションは、限定生産という希少性も手伝って、多くの愛好家の心を掴んでいます。

その創立者ローラン・フェリエ氏、かつては時計師の仕事の傍らで、ドライバーとしても活動。同じくブランド創業メンバーとなったフランソワ・セルヴァンとともに、あのル・マン24時間レースに何度となく参戦していたとのこと。暁の空がオレンジがかったピンク色に染まっていく夜明け、ポルシェ 959の轟音とともにサーキットを走りぬける至福の時間…そんな夢のような情景をダイヤルに映しているのが、今回の新作です。

ベゼルは2019年発表の「グランドスポーツ トゥールビヨン」を踏襲したクッション型。スポーティな三連メタルブレスを採用し、よりスポーティさを演出しています。ケースとブレスレットには軽く耐久性に優れたグレード5チタンを用いることで、ボリュームのあるデザインながら118gという驚きの軽さを実現。柔らかなラインや、サテン仕上げと鏡面仕上げの使い分けが生み出す躍動感も、じつに見事です。

ダイヤルは濃淡のグラデーションが美しいサーモンピンクのオパライン仕上げ。18KWG製にルテニウム処理を施した時分針は、アセガイ型と呼ばれる特徴的な形状です。ユニークなドロップ型のアワーマーカーには、針とともにホワイトのスーパールミノバを塗布。薄暮のサーキットでもはっきりと時間を読み取れる判読性を確保しています。

搭載するキャリバーは、トゥールビヨンとふたつのひげゼンマイを備えた手巻きムーブメント“キャリバーLF619.01”。80時間を超えるパワーリザーブとともに高精度を維持するムーブメントは、ブサンソン天文台によるクロノメーター認定を受けており、2010年にジュネーブウォッチグランプリのベスト・メンズ・ウォッチに輝いた「ローラン・フェリエ ガレ クラシック トゥールビヨン」に搭載されたモデルと同じもの。緻密な営みに負けない端正な美しさは、ケースバックを介して視覚的にも楽しめるようになっています。

2700万円に迫ろうかという価格は驚きますが、創業者の夢と感性が詰まった逸品とあらば納得。時計ファンなら一度は見てみたい格別の仕上がりです。

>> ローレン・フェリエ

<文/&GP>

 

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