日産トップガンが語る GT-Rの真実(1)聖地ニュルブルクリンクを克服せよ

最高出力600馬力、最高速度315km/h、そして、市販車開発の聖地にして世界最高難度のサーキットとしても知られるドイツ・ニュルブルクリンクでのラップタイム“7分08秒679”…。

そんな驚異的なパフォーマンスにより、ポルシェやフェラーリがしのぎを削る“スーパーカーリーグ”のレギュラーメンバーとなった「NISSAN GT-R」。

2007年にデビューを飾った現行のR35型GT-Rは、高度なエンジニアリングに加え、入念なテストに基づく改良を施すことで、進化を重ねてきたことはご存知の方も多いでしょう。その性能は、今や世界中の誰もが認めるところですが、乗り手やシチュエーションを選ばない走りの柔軟性もまた、スポーツカーファンを驚かせました。

クルマの開発には多くのエンジニアが携わっていますが、その成果をチェックし、進むべき方向を示す重要な役割を担っているのが“テストドライバー”。日産自動車では、運転技術や経験、試験可能な最高速度により、その資格は厳密にグレード分けされています。そして、頂点に当たる“AS”資格を持つのは、数えるほどの人数しか存在しないのです。

300km/hオーバーの最高速度を誇るR35の開発には、いうまでもなく、AS資格を有する日産自動車の“トップガン”が深く携わっていますが、彼らの仕事を見る、知るという機会は、まずありません。そこで、GT-Rの開発と進化を支えるふたりのトップガン、加藤博義さんと松本孝夫さんに、第2世代GT-Rと呼ばれるR32型、R33型、R34型の「スカイライン GT-R」の思い出と、現行R35 GT-Rの開発秘話をうかがいました。今回はその第1弾。

【次ページ】R32開発前夜〜初めてのニュルブルクリンクへ〜