30年以上前のクルマなのになぜ「ゴルフ2」は魅力的なのか

■ゴルフ2にはどんなタイプがあるのか

我々が訪れたのは、神奈川県相模原市にある「スピニングガレージ」。常時100台前後の在庫がある、全国にその名が知られるゴルフ2専門店です。

実は今、1980年代から90年代にかけて人気のあった欧州車は軒並み流通量が激減し、中古車サイトを見ても数台掲載されていればいいほうという状態に。当然パーツも入手しづらくなっています。ただしゴルフ2は日本でもかなりヒットしたので、イタリア車やフランス車に比べると流通量は豊富。しかしここ数年でだいぶ中古車の数が減ってきています。

代表の田中延和さんによると、お店にはゴルフ2の現役時代を知っている人だけでなく、初めてのマイカーとしてゴルフ2を選ぶ20代前半の人も多く訪れるそう。彼らは最新モデルで自分の感性に合う選択肢が見つからず、ヤングタイマーに目を向けていると言います。

「若い人に共通するのは、デザイン的にも機能的にもシンプルで、今でもちゃんと乗れるクルマということでゴルフ2に注目していることです。きっと編集長が若い頃は細かいことを気にせず『好き』というだけでクルマを買っていたと思いますが、今の子たちはノリと勢いではなく、しっかり情報収集をしてゴルフ2にたどり着いているんだろうということを感じます」

流通量が減少傾向とはいえ、まだまだ中古車は見つけやすいゴルフ2。さらに

・何かあったときのパーツが探しやすいこと
・同時期の輸入車に比べ、夏でも乗りやすいこと
・ATの流通量が多いこと

これが選ぶ理由になっているそうです。

「一方で、免許取立てなのに『絶対にマニュアルのゴルフ!』という子も来てくれます。自分の若い頃を見ているようでうれしいですね」

そんなゴルフ2は大きく分けると3つのタイプが存在します。

 

▼ベーシック系

ベーシックグレードのCiから上級グレードのGLiまで、ゴルフ2の王道的なモデル。CiとCLiには5ドアと3ドアがあり、ミッションも3ATと5MTが存在。GLiは3ATのみ。

▼GTI

走りに特化したホットハッチバージョンで、グリルとバンパーに入る赤いストライプが特徴。搭載エンジンは1.8Lで、1986年にGTI 16Vが追加されます(写真はイギリス仕様のGTI)。

▼カブリオ

オープンモデル。1983年にゴルフ2へとフルモデルチェンジした際、カブリオについてはゴルフ1が継続販売される形になりました。1991年には限定モデルとして本革シートがおごられたクラシックラインが登場。初回販売ではグリーンメタリックとダークブルーメタリック、2度目の販売でグリーンメタリック、ダークブルーメタリック、ワインレッドメタリックが用意されました。

▼<番外編>ジェッタ

ゴルフのセダンバージョンがジェッタ。ゴルフが丸目なのに対し、ジェッタは角目になります。日本には1985年から導入されました。ゴルフは乗っている人も多いし、人とはちょっと違うモデルが欲しいという人におすすめ!(写真はイギリス仕様のジェッタGTI)

 

これ以外にも4WDのゴルフシンクロ、最低地上高が高められたゴルフカントリーなどが存在しますが、流通量は極めて少なくなっています。

「ほとんどのお客様は、どのタイプに乗りたいというのは決まっています。そのほうが僕たちも、在庫からこれがいいというのをお勧めしやすいですね」

またゴルフ2には丸目2灯と4灯が存在しますが、これは乗る人の好みで簡単に変えられるそう。角目のジェッタを丸目にもできます。

「2灯と4灯は流行りがありますね。大昔はみんな4灯にしている時期もありました。その反動で10年ほど前は2灯の人気が高まりました。最近はどちらが人気というのはなくお客様が好みで選んでいますが、クラシックラインを2灯にする人もいますよ」

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