【使った】まるで未来の調理家電!解凍・計量いらず「まかせて調理」

「まかせて調理」機能を搭載した。これがとにかくスゴいのだ!

7月24日発売の「ヘルシオ AX-XP200」。実勢価格17万5520円

7月24日発売の「ヘルシオ AX-XP200」。実勢価格17万5520円

“揚げない唐揚げ”はヘルシオが元祖

新機能を紹介する前にちょっとだけ「ヘルシオ」について紹介しよう。いまやシャープの健康調理家電ブランドとなり、ジューサーなど多くの製品が登場しているが元々ヘルシオは、2005年に発売されたウォーターオーブン「ヘルシオ」がスタートだ。

2004年誕生のシャープ初代ヘルシオAX-HC1

2004年誕生のシャープ初代ヘルシオAX-HC1

スチームではなくウォーターオーブンとしているのは、初代ヘルシオがすべての調理を過熱水蒸気で行っていたからだ。過熱水蒸気とは、そもそも100℃で沸騰して気化する水をさらに高温(200~300℃程度)に加熱したもの。

この高熱の水蒸気で食材を焼きあげるのがヘルシオの特徴だ。鶏肉などは、この過熱水蒸気により、自らが持つ脂分で身を焼くこととなり、“元祖揚げない唐揚げ”ができた。

さらに、減脂だけでなく減塩効果も得られ、油を使った調理はもちろん、フライパン調理と比べて、ヘルシーに仕上げることができた。

高温(200~300℃程度)に加熱した過熱水蒸気で焼きあげるウォーターヒート技術を採用している

2世代目以降、電子レンジ機能も追加したヘルシオはウォーターオーブンによる健康調理機能はそのままに、スチーム調理機能なども追加。異なる調理方法による同時料理機能を搭載し、高機能化を進めてきた。そして、今回、新機能となる「まかせて調理」機能を搭載したというわけだ。

解凍・計量不要!4つの調理方法を選ぶだけ

新たに搭載された「まかせて調理」では、「網焼き・揚げる」「焼く」「炒める」「蒸す、ゆでる」の4つの調理方法を用意している。選ぶのはたったこれだけ。あとは食材をトレーや網の上に載せてボタンを押すだけで、ヘルシオが食材の量や温度を監視しながら、自動的に最適な時間で加熱調理してくれる。

この機能がなによりスゴいのが、庫内に入れる食材の量や温度を問わないということだ。たとえば、冷凍の海鮮とチルド保存していた鶏肉、そして常温に置いていた野菜などを並べても、できあがったときはどれもホカホカで、焼けすぎることなくできあがる。一部の食材だけ事前に解凍するといった手間が掛からないのだ。

食材をセットしたら、「まかせて調理」メニューから調理方法を選ぶだけ。

食材をセットしたら、「まかせて調理」メニューから調理方法を選ぶだけ

異なる温度の食材を同時に焼きあげることができる秘密は、ウォーターオーブンだからだという。通常のオーブン調理やグリル調理では狙ったところを加熱するのが難しい。しかし、過熱水蒸気はより温度の低い場所を集中的に加熱する特性がある。

このため、加熱開始時は冷凍の食材を集中的に加熱し、温度が上がってくるごとに、チルドの食材、そして常温だった食材へと熱が広がるのだ。

まずは網焼きに挑戦!

早速、「まかせて調理」を使ってグリルを作ってみた。網の上に中央にチルド室から取り出した鶏肉、そして右側に冷凍のポテト、そして左側に常温だったトマトとパプリカを置いた。野菜とポテトの下にはアルミホイルを敷く。

鶏肉や副菜を網の上にセットする。

鶏肉や副菜を網の上にセットする

あとはヘルシオにセットして「網焼き・揚げる」ボタンを押すだけだ。これで約20~25分ほど待つ。その間、副菜の準備をしてもいいし、他の家事をすることもできる。「ヘルシオ」を使っている約3週間、この約20分の自由時間が非常に使い勝手が良かった。

通常の晩ご飯の準備では30~1時間ほどキッチンに閉じ込められることになるが、ヘルシオを使えばこの20分間キッチンの外に出られるため、3人娘が散らかしたリビングダイニングを片付けたり、娘たちが食べた食器を洗ったりと、ちょっとした家事が進められるのだ。

ときには仕事部屋からサッと飛び出して網の上に食材を置いてスイッチを入れ、再び仕事部屋に戻って残りの仕事を片付けるといったこともできた。

皮面も香ばしく焼け上がった鶏肉。

皮面も香ばしく焼け上がった鶏肉

そして約20分後、鶏肉は香ばしく、冷凍ポテトはホクホクに、野菜はジューシーに焼き上がった。鳥の皮に含まれている脂はしっかりと落ちており、ヘルシオの最大の特徴でもあるヘルシー調理機能ももちろん健在だ。

このときは、焼く前にしっかりと塩胡椒したので、それで十分味が付いていたが、一緒に焼いたトマトをソースのように加工するのも手だ。

鶏肉をカットして副菜を添えた。20分ほど待つだけで立派なメインができた。

鶏肉をカットして副菜を添えた。20分ほど待つだけで立派なメインができた

タラの切り身を蒸してみる

では続いてもう一品。タラの切り身が安かったのでこちらを調理してみよう。タラの切り身はそのままトレイに置くだけだ。そして隣に耐熱容器をセットして、その中に細切りにした野菜やひと口サイズにカットしたきのこ類を入れる。

あとは醤油とみりん、片栗粉などを投入してひと混ぜした。「まかせて調理」の「蒸す・ゆでる」をセットする。あとは、このまま約20分待つだけ。

タラの切り身を並べ、耐熱容器にきのこ類をセット。

タラの切り身を並べ、耐熱容器にきのこ類をセット

すると簡単にタラの切り身の蒸し物、キノコソース添えが出来上がった。通常、この手の料理を作る時は、フライパンと蒸し器など複数の調理器具を利用する。このため、洗い物が非常に多くなる。しかし、ヘルシオならトレイと耐熱皿しか使わない。料理が簡単なだけでなく、さらに後片付けもラクになるのだ。

淡泊なタラにキノコのタレをかけた美味しいメニューの出来上がり。

淡泊なタラにキノコのタレをかけた美味しいメニューの出来上がり

お手軽「焼きそば」は洗い物もラク!

筆者宅は3人娘のいる5人家族なのだが、この最新ヘルシオの説明を受けたときに膝を打った機能がある。それが、「まかせて調理」機能を利用した焼きそば作りだ。

まだ娘が小さいため、一度に作る量は麺3玉だが、この先成長するとそれ以上の量を作ることになると想像していた。そして、麺3玉の焼きそばをフライパンで作ったことのある方ならその大変さは経験しているだろう。

麺と野菜、肉でフライパンや山盛りになり、調理には時間が掛かる上、麺はだんだんとフライパンにこびり付いていく。作った後にフライパンを洗うのも大変なのだ。

冷凍した麺をそのままトレイの上に。

冷凍した麺をそのままトレイの上に

しかし、ヘルシオの焼きそば調理は驚くほど簡単だ。トレイに焼きそば麺、野菜、肉の順番にセットして、「炒める」を押すだけ。一度に麺4玉を一気に作ることができ、さらに麺は冷凍した状態から調理をスタートできるのだ。

麺の上に野菜、ソース、肉をセットする。

麺の上に野菜、ソース、肉をセットする

この間、フライパンを振る必要もなければ、麺をほぐしたりと火の前に貼り付く必要はない。冷凍麺からスタートした場合、調理には25分ほど掛かるため、フライパン調理に比べて速いということはないが、手間はまったくかからない。やったのはわずかに野菜や肉をひと口大に切ったぐらいなのだ。

そして完成。トレイの上で麺をほぐし、調理前にかけておいたソースを全体に絡ませるだけで焼きそばが完成だ。トレイに麺や野菜がこびり付くこともなく、食べたあとの洗い物も簡単で、手軽に作れた。

25分ほど経過したあと麺と具材を混ぜあわせる。肉がカリッと焼き上がり、麺はもちもち食感に仕上がった。

25分ほど経過したあと麺と具材を混ぜあわせる。肉がカリッと焼き上がり、麺はもちもち食感に仕上がった

料理好きだけじゃなく、苦手な方にもお勧め

高機能を搭載する高級オーブンレンジはどうしても、その機能を使いこなすことが難しいという側面がある。そして、元々の料理スキルがある方々は付属レシピをほとんど使わずに使いこなし、料理が苦手な方は、付属レシピ通りの食材や調味料が揃わないとできないと思い込んでしまう。

結果として簡単なハズなのにハードルが上がっているというのがこの数年、高級オーブンレンジに感じていた思いだ。

元祖でもある揚げない唐揚げもしっかりできた。

元祖でもある揚げない唐揚げもしっかりできた

しかし、ヘルシオが今回搭載した「まかせて調理」は高機能の調理機能とは別に、「簡単」を追求した機能として非常に優秀だと感じた。

冷蔵庫、冷凍庫にある食材を「適当」にヘルシオに入れれば、美味しく調理されて出てくる。もちろん味付けは必要だが、塩胡椒やポン酢などの後付け調味料でも十分に美味しくいただけるのだ。

調理家電を使う一番の理由は、手軽さにある。オーブンレンジはこの数年、手軽さよりも高機能を追求してきたという側面がある。ヘルシオAX-XP200が搭載した「まかせて調理」は再び手軽さに舵を切った機能。

これにより、オーブンレンジはSFの世界に出てきた“未来の調理家電”に一歩近づいたのだ。

(文/コヤマタカヒロ)

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