ババヘラじゃない!青森の夏のソウルフードは「カランカランアイス」です!

主に北東北でポピュラーなもので、秋田では「ババヘラ」という名前で呼ばれているようです。ババアがヘラでアイスをすくうことから、ババヘラ。なかなかひどいネーミングですが、青森ではカランカランとベルを鳴らしながら青い屋台を引っ張ってくることから、カランカランアイスと呼ばれています(チリンチリンアイスという人もいる)。どっちにしろ、とてもストレートなネーミングです。

このアイスの目印は青い屋台、というかリヤカー。それをおばちゃんが引いて色んな場所に現れるのですが、まさに神出鬼没。祭りはもちろん、近くのスーパー、大きな公園や神社、小学校や幼稚園の運動会まで、人が集まるところに青い屋台が現れる。先日、仕事で故郷・青森に行った際に、久しぶりにこのカランカランアイスを味わってみました。

▲子供のころは1個50円だったような。約3倍に値上がり?

食感はシャーベットに近い「シャリシャリ」とした感じ。でも氷の粒は小さく、口の中に入れるとスッと溶ける。舌で軽くすくうことができるほど、やわらかい口当たりです。そして味はすごくシンプル。クリームなど乳脂肪分は入っておらず、とてもさっぱりした甘みが特徴。屋台のオバちゃんが言うには「バナナっぽい味がするという人もいるよ~」とのこと。確かにバナナフレーバーが鼻に抜けるが、ほんのりといった具合。とにかく優しい味。甘さも控えでべたつかないので、蒸し暑い日にもスーッと身体の中に入っていく。

▲屋台内の保冷庫からアイスをヘラですくって…コーンの上に盛り付ける

ここでひとつ、食べ方の注意を。コーンの上にボリューム良くアイスがのってはいるが、あくまで“のっている”だけ。“落下事故”が多いのもこのアイスの特徴なのです。母親にもらった50円を握りしめ、青い屋台に向かって走り出す。アイスをコーンに盛ってもらった帰り道。もうお分かりですね、そう、つまずくわけですよ。その軽い衝撃でもコーンの上のアイスは地面へ……。手に残っているのは、コーンのみ。青い空と、青い屋台、手には空っぽのコーン。そして地面で溶け広がるアイス。これが青森の夏なんです。

▲「簡単だよ~」なんておばちゃんは言うが、複数の客を一気にさばくこの手際の良さは、10年以上のキャリアのなせるワザ

カランカランアイスを思い出せば、優しい甘さともに苦い失敗の味がよみがえる。懐かしい人も、懐かしくない人も、青森にお立ち寄りの際はぜひ味わってほしい夏の青森のソウルフード。くれぐれもつまずかないようにお気をつけて。

 


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(取材・文/今 雄飛)

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