[Gear Maniax #052] ワイヤレススピーカーでモバイルバッテリーなゲンバ系投光器

このシリーズは2アイテムあり、主に明るさとスピーカーの出力に違いがあります。ボディの両脇に取っ手が付いた大型の「LE-R401」はMAX4000ルーメン、スピーカーは10W×2。小型の「LE-R151」はMAX1500ルーメン、スピーカーは5W×2です。スピーカーはいずれも高音質パッシブラジエーター型スピーカーを採用。低音に強いスピーカーです。実際、かなりいい音です…とライト屋が言ってもまったく説得力ありませんね(笑)。ですが、少なくともIP65の高い防塵防水性を有したポータブルスピーカーとしては決して侮れない音質です。

まずは小型のLE-R151からご紹介。全長212mm×全高131mm×奥行き65mm、重さ1400g。大きさのわりにズッシリとした質感です。ライトユニットは90度の可動が可能。底部にはM10サイズのネジ穴と強力マグネットを二箇所装備。別売の三脚に取り付けらる他、鉄製のラックやボンネットなどにも貼り付けて使用できます。工具などと共に作業車に載せて現場作業で使うことが想定されています。

明るさは5段階で調整が可能。操作パネルは大きく押しやすいですね。誤動作を防ぐためにしっかりと押す必要がありますが、パネルインジケータが見やすく視認性にすぐれます。メインスイッチ長押しで点灯。各機能は独立したスイッチを持ち、消灯した状態でスピーカーだけを可動させることもできます。

この製品、本当におもしろいんです。なぜならば光源であるCOBは二色使われています。中心が高色温度の白色系、周囲が低色温度の暖色系になります。よく見ると色が違うのが分かるかと思います。この2色のLEDを駆使して7段階の色温度(光の色)の調整が可能です。2500K~6500Kまで多段階に切り替えられます。ワークライトとしてはありえないほどのこだわりようです。しかも、フリッカー対策回路も搭載し、明るさを落としても光のチラツキはありません。演色評価指数Raは80(最大100)とかなり優秀。これぞTAJIMAといった仕様ですね。

実際、低色温度を使うか?となると微妙ですが、何も現場作業だけで使う必要はありません。休日であればキャンプやアウトドアに持ち出してもいいかもしれません。

ボディ側面には5V1A出力のUSB出力ポートを実装。一般的なスマートフォンを充電できます。USBを使用して充電するデバイスを接続しながらでも使えます。ポータブルバッテリーにもなるということですね。

反対側に付属のACアダプターを差し込むソケットがあります。ACアダプターのケーブル長は約5mもあります。現場で電源を確保する際も充分な長さがありますので大変便利かと。ソケット端子は2ピンタイプ 口金の形はユニークになっているので差し間違えることはありません。

さらにワークライトは充電しながら点灯使用が可能。内蔵充電池の電力を使用するのでインジケーターは下がってきますが、AC電源から充電している限りは使い切ることはありません。なのでどれだけ長時間使用しても使用中に消灯してしまうことはないということです。

ワイヤレススピーカーではおなじみのBluetooth搭載。スマートフォンのBluetooth機能をONにして本機に近づけてしばらくすると接続が完了します。ペアリングが完了するとスピーカーからコールサインが出るので分かりやすいですね。

スマートフォンと接続されることによりさまざまなアプリを使用するできます。ミュージックプレーヤーで音楽を聴くことはもちろん、現場の朝礼でマイクアプリを使って拡声器として使用し、そのままラジオアプリでラジオ体操など、用途はさまざま。また、スマートフォンに電話が掛かってきた時はプライバシー保護のため、スピーカーは自動的にミュート(消音)されます。通話内容がスピーカーから流れることはありません。ただし、スマートフォンから再生される着信音やアプリ上の呼び出し音や音声はスピーカーで再生されます。

このシリーズに対応した三脚「LE-ZT5」にマウントさせると最大2000mmの高さから照射が可能。ほぼ中心光のない超ワイド拡散光。周囲を一様に照らせます。今はLEDの投光器でも数千ルーメンでるモデルは多いので、それらと投光器の性能だけで比較するとさほど凄いアイテムではありませんが、なんといってもワイヤレススピーカーが肝です。

耐落下衝撃性能は1m レンズ部分は強化ガラスを採用。IP65の防塵防水性能は現場使用を強く意識したものです。防水機能を重視したものは数多くありますが、「防塵」重視はあまり見たことがありません。知る限り防塵性に優れた同じような製品は大手電動工具メーカーが出すモデルくらいですが、それと比べる音は断然良いと思います。また、ラジオ機能を付けずにスマホのラジオアプリの使用を推奨するあたりがクレバーですね。イマドキ現場に入る職人さんたちはみんなスマホを使用しますから、ありだと思います。

この製品のターゲットは客先に入る職人さんやエンジニアさん。備品購入費として利用し易い価格帯、経理にポータブルスピーカーではなく「投光器です!」と胸を張って申告できるその性能。現業系のエンドユーザーにあらゆる面で死角のないアピールポイントを盛り込んでくるのがTAJIMAの真骨頂です。このLE-R151もそんな製品で間違いありません。

>> 連載[Gear Maniax]

 


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(文・写真/アカリセンター・HATTA)

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