【スバル WRX S4 スポルヴィータ試乗】イタリアの手業が冴える!特別な内装を手にした特別なWRX

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スバルのクルマはその昔、技術面では先進的、高い性能にリーズナブルな価格、モデルによっては超絶ハイパフォーマンス! …と実に魅力的でありながら、「でも、カッコがねェ」とか「内装がちょっとね…」という声も多く、「むしろそこがイイ!」という突き抜けた意見さえ聞かれたものです。

ところが最近、ちょっと様子が変わってきました。「XV」や「フォレスター」などはルックスが洗練され、個性的なボディカラーがカタログに載ることもあって、つい「オシャレ」なんて単語を口走ってしまいそうになります。

WRX S4スポルヴィータは、自他ともに認めるインテリアの弱さ克服しようと、スバルが果敢に挑んだパイロットモデルといえます。パートナーに選んだのは、創業から70年ほどの歴史を持つ老舗メーカー、マリオ・レヴィ社。革のなめしから縫製までを一貫して手掛ける、イタリア・トリノに本社を置く会社です。

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そしてスポルヴィータに乗り込むと、ツートーンカラーになった前後シートに合わせ、ステアリングホイールやセンターのアームレスト、ドア内張の肘掛けなどがタン色の革で飾られます。また、インパネやステアリングホイールのスポーク部分、シフトレバー周りなどには、ピアノブラックことツヤあり黒のパネルが用いられます。その上、センターコンソールやシフトレバーカバーに施されたタン色のステッチが利いていて、雰囲気はう〜ん、イタリアンダンディ!

一方、エクステリアは、各部にシルバーアクセントが施されています。ヘッドランプ周り、ドアミラー、トランクガーニッシュ、ショルダーライン(窓の下端)にはシルバーのモールをはわせてあります。エレガントですね。

ボディカラーは、白、グレー、黒、赤、そして特別色の“ラピスブルー・パール”から選べます。個人的には、例えば、内装に合わせて“漆黒の黒”と、もう1色。ベージュ…だとソフトに過ぎるので、ソリッドのダークブラウンなどを用意すると、シックで“大人のイタリアン”なイメージが喚起されるんじゃないかと思いました。

…といっても、スバルとしてもこうした試みは初めてなので、「あまり冒険はできない」といったところでしょう。スポルヴィータの次、ドルチェヴィータ(甘い生活)に期待しましょう(なんちゃって)。

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以前のレポートでも言及しましたが、ガチで体育会系の「WRX STI」と比較して、WRX S4はSTIのデチューン版…などでは決してなく、全く別の個性を持っています。「粋な大人のスポーツセダン」にしたいというスバル開発陣の狙いは、当を得ていると思います。

ステアリングホイールを握って走り始めれば、文字どおりタイヤのひと転がり目から高い剛性感を得られ、スロットルを開ければ、300馬力を発生するフラット4が1540kgのボディを軽々と押し出します。そしてステアリングを切れば、素直な回頭性がうれしい!

ドライブフィールは一級。あとは、メルセデス・ベンツやBMWからスバルへと乗り換える人たちを、いかにして迎えいれるのか? 今後もさまざまな試行錯誤が必要かと思いますが、何はともあれ、マリオ・レヴィ社とのコラボレーションが“プレミアム”の階段を上がるきっかけになったらいいですね。

<SPECIFICATIONS>
☆S4スポルヴィータ
ボディサイズ:L4595×W1795×H1475mm
車重:1540kg
駆動方式:4WD
エンジン:1998cc 水平対向4気筒 DOHC 16バルブターボ
最高出力:300馬力/5600回転
最大トルク:40.8kg-m/2000〜4800回転
トランスミッション:CVT
価格:390万9600円

(文&写真/ダン・アオキ)

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