ブレないムービー!DJI「OSMO」は本当にブレないのか?

 

 

「DJI OSMO X3」。どれだけ動いてもカメラを水平に保ち、映像のブレを抑える、ジンバル(スタビライザー)搭載のデジタルカメラ。最大4096×2160の4K解像度でのビデオ撮影が可能。microSDカードに映像を記録していく

「DJI OSMO X3」。どれだけ動いてもカメラを水平に保ち、映像のブレを抑える、ジンバル(スタビライザー)搭載のデジタルカメラ。最大4096×2160の4K解像度でのビデオ撮影が可能。microSDカードに映像を記録していく

 

カメラ部と、それを支えるジンバル(スタビライザー)。バッテリーはグリップ部に内蔵されているため、カメラ自体は非常にコンパクト。ジンバルは電動で制御され、激しく動いてもカメラを水平に保ってくれる。94度の画角が得られる、20mm/F2.8の単焦点レンズを搭載

カメラ部と、それを支えるジンバル(スタビライザー)。バッテリーはグリップ部に内蔵されているため、カメラ自体は非常にコンパクト。ジンバルは電動で制御され、激しく動いてもカメラを水平に保ってくれる。94度の画角が得られる、20mm/F2.8の単焦点レンズを搭載

 

初心者でも、ブレない映像が撮れる!

まずは1歳半になる息子を撮ってみた。最近歩き始めたばかりなので、動きは激しくない。あまり近づきすぎないよう、彼の動きに合わせてカメラの画角を合わせていく。

 

 

子どもを撮影する際は、カメラ位置を下げるにかぎる。大人の視点から撮っても、頭ばかりが目立ってしまうからだ。一方、子どもの目線まで下げれば、その表情がよく写せる。

自然と、腰を極端に落とした状態で撮影することになる。この慣れないポジションで撮影すると、そうとう気を付けていないと、普通はブレブレの映像になってしまう。だが「DJI OSMO」の場合は、かなりラフに撮っても、上のように振動を感じさせない、解像感の高い映像が撮れた。

また、20mmの広角レンズが採用されているため、ある程度の画角を決めれば、あとはモニター(連携させたスマートフォンの画面)を見なくても、狙った被写体が撮れていた。使っていくうちに、自分と被写体との距離を目測して、どんな画角かがだいたいわかるようになってきた。このあたりは、GoProなどのアクティブカメラと同じような使い勝手だ。

モニターは非搭載だが、iPhoneやAndroid端末を連携させることで、画角が確認できる。遠隔操作による撮影にも対応。そのほか解像度の変更など、各種設定をスマートフォンから行える。

モニターは非搭載だが、iPhoneやAndroid端末を連携させることで、画角が確認できる。遠隔操作による撮影にも対応。そのほか解像度の変更など、各種設定をスマートフォンから行える

 

幼児のように歩いている時であれば、最新のデジカメやムービーに搭載されている手ブレ補正機構だけでも、かなりのブレがキャンセルされる。だが、走っている状態では、その効果は限定的だろう。

そこで、激しく動き回る小型犬を撮ってみた。静と動の変化が極端な犬に合わせて、自分も走ったり停まったりを繰り返す。そんな動きで撮影しても、カメラの映像は、ゆらりゆらりと宙を浮いているように彼らをとらえていた。

 

 

できるだけ彼らの視線の高さで撮りたいため、腰の位置をかなり下げている。この中腰姿勢で犬にカメラを向けるため、DJI OSMOを水平に近い角度で持つか、またはグリップ部分を上にし、カメラ部を下げて地面すれすれに構えたりして撮影した。

そう、DJI OSMOは腕をだらりと垂らした状態でも、設定すれば、カメラを水平に保ってくれる。設定は簡単で、例えば腕を垂らしてカメラ部を下に向けたら、操作部のボタンを2回クリックするだけ。カメラはひっくり返った状態だが、撮影された映像は、しっかりと空が上に映っている。このあたりも、GoProなどと同じ仕様なのだ。

 

DJI OSMOは、グリップ部を傾けても、カメラの視線を一定に保ってくれる。さらにカメラを下げて、逆さに持つようにしても、映像の天地が逆さになることはない。ペットや幼児を、彼らの視線の高さで撮るのに便利だ

DJI OSMOは、グリップ部を傾けても、カメラの視線を一定に保ってくれる。さらにカメラを下げて、逆さに持つようにしても、映像の天地が逆さになることはない。ペットや幼児を、彼らの視線の高さで撮るのに便利だ

 

さらに激しく上下に振動するクルマの車内から撮影。ダッシュボードが上下に揺れているのに、全体の映像は激しく揺れていないことが分かるはず。

 

 

「DJI OSMO」は、カメラ部を上下左右に動かせる。グリップ上部の操作部にあるボタンを、ぐりぐりと動かすことで、カメラの向きが上下左右に動いてくれる。例えば低い位置から子どもを見上げたり、左右にカメラをパンさせたりできるのだ。

 

グリップ上部の操作部。中央の円形ボタンをグリグリと動かすことで、カメラ向きを上下左右に変えられる。また下部のボタンを1回押すと、カメラ向きをロック。2回押すと、水平位置を調整。3回押すと、カメラ向きが撮影者をとらえ、自撮りモードに

グリップ上部の操作部。中央の円形ボタンをグリグリと動かすことで、カメラ向きを上下左右に変えられる。また下部のボタンを1回押すと、カメラ向きをロック。2回押すと、水平位置を調整。3回押すと、カメラ向きが撮影者をとらえ、自撮りモードに

 

ブレない“人の目”と同じ映像が撮れる

普段は何も考えずに、歩いたり走ったりしながらも、目で何かを見ている。その時に見る景色って、ブレていないなぁと気がついた。そんな自分が見た映像に、より近い、ブレのない映像が気軽に撮れるのが「DJI OSMO」なのだ。

また、一般的なカメラの手ブレ補正機構が進化しているとはいえ、「DJI OSMO」に比肩する性能を持つカメラは見当たらない。そうしたカメラで三脚などを使わずに手持ちで撮るなら、カメラの位置やレンズの向きを固定しておいたほうがよい。あっちこっちと向きを変えると、ブレや振動と相まって、酷い映像になるからだ。

だが、振動を吸収してくれる「DJI OSMO」であれば、走り回って撮影しても大丈夫。そのため、これまでの固定した視点の動画だけでなく、動きのある映像がキレイに残せる。

「DJI OSMO」は、映像のバリエーションを確実に増やせるカメラだった。

 

(文/河原塚英信

かわらづかひでのぶ/エディター、ライター

かわらづかひでのぶ/エディター、ライター

モノ情報誌『BestGear』の編集者として家電製品を10年以上追い続けた後に、フリーランスの編集ライターへ。現在は生活家電専門の情報サイト『家電Watch』を中心に、雑誌では『GoodsPress』『週刊SPA!』などで編集執筆。生活家電をはじめ、テレビやレコーダーなどのAV機器や、ウエアラブル端末にも精通する。

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする

関連するキーワード