パーペチュアルカレンダー最大の問題を解決した「ヴァシュロン コンスタンタン」

■ハイビートと超スロウビート、2種類の脱進調速機構を搭載して使い分ける

ヴァシュロン コンスタンタン
「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」(時価)

毎時3万6000振動のアクティブ・モードと保管用の超スロウビート・毎時8640振動のスタンバイ・モード、ふたつのモードのため、脱進調速機構もふたつ搭載。後者で最長約65日間のパワーリザーブを実現した画期的なロングリザーブ機能付きパーペチュアルカレンダーモデル。ケース径42mm、手巻き、プラチナケース、3気圧防水

▲(左)毎時3万6000振動のアクティブ・モード、(右)毎時8640振動のスタンバイ・モードのテンプ。スタンバイ・モードではエネルギー消費は左の約1/4に減少する

▲2020年発表の「ラ・ミュージック・デュ・タンレ・キャビノティエ・グランド・コンプリケーション・スプリットセコンド・クロノグラフ-テンポ」は同社で最も複雑な腕時計だ

 

■独自のメカニズムで問題に対応

4年に1度の「うるう年」の周期まで歯車輪列でプログラムされていて、約100年間はカレンダーを修正する必要がない。それが機械式時計のパーペチュアルカレンダー機構。文字盤に表示される要素が多く、視覚的にも魅力的なため人気が高く、数多くのブランドがこの搭載モデルを発売している。

だが、このパーペチュアルカレンダー機構にも唯一、大きな問題がある。それは、カレンダーの設定が大変なこと。ゼンマイのエネルギーが切れて時計を一度止めてしまうと、月、日、曜日、うるう年、月齢、すべてを考えて設定をやり直さなければならない。

1755年からスイス・ジュネーブで時計作りを続ける名門のこのモデルは、史上初の「使わないときはテンプの振動数を下げてエネルギーを節約する」独自のメカニズムでこの問題に対応。最長65日間も動き続けるので、「止まり」の問題を最小限にした画期的なパーペチュアルカレンダーモデルだ。

▲創業者ジャン・マルク・ヴァシュロンは1755年、24歳で自分の時計工房を開設した。以来現在まで、メゾンは260年以上も休むことなく高級時計の製造を続けている

▲ヴァシュロン コンスタンタンは現存する世界最古のブランド。しかしジュネーブ郊外のプラ・レ・ワットにある同社の本社工場はこのエリア内でもモダンで美しい

▲2015年、創立260周年を記念して発表した懐中時計「リファレンス57260」は57の複雑機能を持つ世界で最も複雑な懐中時計。その記録は今なお破られていない

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※2020年12月6日発売「GoodsPress」1.2月合併号掲載記事をもとに構成しています

<企画・執筆・編集/渋谷ヤスヒト>

 

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