製作のハイライト「大判ストライプデカールの貼り方」を解説【達人のプラモ術<ポルシェ935マルティーニ>】

■デカール貼りの基本

① 1枚ずつカットして使用する

今さらですがデカールはいっぺんに水に漬けちゃいけません。使用するデカールを1枚ずつ台紙ごとカットして使用します。

②水に漬けたままにしない

デカールを水に漬けたままにして、水の中で台紙から浮き上がってくるまで漬けておくのはNGです。デカールには水溶性の糊が使われているので、水に漬けたままにしておくと糊の成分が溶け出してしまい定着力がなくなってしまいます。なので水に10秒~15秒ほど水に浸したら台紙ごと引き揚げて、そのまま置いておけばOK。糊成分が失われません。

③指でデカールを扱わない

デカールを貼る際に指でデカールを扱うと、折れ曲がる、丸まってしまう、あるいは指側にくっついてしまうといったトラブルの原因になるので、必ずピンセット(デカール専用のピンセットだとベター)を使います。

④位置修正の際はたっぷりと水を使う

一度貼ったデカールは一度貼って時間(5分~10分)がたってしまうと糊が乾きだすので位置修正がしづらくなります。無理に動かそうとすると破けてしまいます。修正する場合はデカール表面にタップと水気を与えてやれば、糊が溶け出して動かすことができます。ただしマークセッターやデカール糊を使用して1日以上時間がたって完全に乾燥している場合は、修正は困難になります。

 

■あると便利なデカール貼りサポートアイテム

タミヤ
「マークフィット」(275円)

貼り込みの際に塗りこむことでスライドマーク(デカール)を軟化、貼りにくい凸凹面や曲面、つや消し面にフィットさせ、接着力も高めてくれる。マークセッターでは溶けてしまうようなデリケートなデカールにも最適。

 

Mr.ホビー
「Mr.マークセッター」(280円)

デカール用のノリ剤と軟化剤が含まれており、塗装面にしっかりとデカールを貼り付ける効果が高く、またフィルムが白くなるシルバリングを抑えてくれる。使用に際しては、デカールを貼る面に先に塗っておく。密着力が弱いデカールや接着性が強くないデカールなどに効果が高い。

 

Mr.ホビー
「Mr.マークソフター」(275円)

強力なデカールの軟化剤。デカール貼る場所に塗布して使用する。曲面などデカールが馴染みにくい際に効果が高い。使用すると急速にデカールが軟化するため、塗布しすぎるとデカール自体が溶けたり塗装面を浸食する場合がある。効果が強力なので使用に際しては事前に使用するデカールとのパッチテストをオススメする。

 

タミヤ
「デカールピンセット」(1760円)

デカール貼りに特化したステンレス製ピンセット。精度が高く矢尻型の先端で小さなデカールはもちろん大きなデカールもしっかり掴むことができて、傷つけることがない。

 

■いざ!デカール貼りの実践

まずはボンネットとルーフのストライプから貼っていきます。

台紙ごと切り出したデカールを水に10秒程度浸けておきます。指で触って台紙の上でデカールのフィルムが。すっと動けばOKです。

台紙ごとデカールを貼る位置に持っていき、台紙をゆっくりと引き抜き、デカールをボディに移します。位置修正は水をたっぷりつけて行うのがポイントです。キムワイプを使って水分を拭き取りながらデカール内側に残った気泡を押し出してやります。

▲切り出したデカールは、台紙ごと15秒程度水に漬けて全体に水が染み渡らせてから引き揚げること

▲デカールを貼る部分(ボディ側)を水で濡らしておくと密着させやすく、また後の位置修正がやりやすくなる

▲大判のデカールは台紙ごと貼る位置に持っていき、ゆっくりと台紙を引き抜いてデカールをボディ側に移してやる

▲デカールとボディ間に気泡が残っていた場合、綿棒で内側から外側に気泡を押し出していく

▲綿棒は必ず塗らしておくこと、乾いたままの綿棒だとデカールに傷をつけることがある

▲ボンネット上のストライプはフロントガラス側で2枚に分かれている

▲デカールの合わせ目部分をしっかりと密着させるため、マークフィッターを塗布して綿棒で密着させる

▲ボンネットとルーフのストライプデカールを貼り終えた状態

日本製紙クレシア
「キムワイプ」(200円前後)

試験管やビーカーなどの実験器具の清掃に使われている紙製のシートで、繊維くずが出ないのでデカール貼りの際に水分の拭き取りに使用する。ティッシュを使って水分を拭き取った場合、デカールの裏側に繊維(パルプ)くずが入ってトラブルの原因になってしまう。

 

【次ページ】局面に貼り込んでいく際のコツ

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