スポーツウォッチの原点「アルピナ」復刻モデルが人気の理由

今や様々なブランドが多彩な機能を搭載したスポーツウォッチをラインナップしている。そうしたスポーツウォッチの原点とも言える概念と製品を、世界で初めて打ち出した時計ブランドが「アルピナ」だ。

アルピナは、創業者のゴットリーブ・ハウザーが、1883年にスイスのジュネーブで時計職人を集め、「アルピナ・ユニオン・オルロジェール S.A.(UH)」という組合を結成したことにはじまる。その構成員の全員がアルピニスト(登山家)。アルプス山脈に抱かれ、昔から多くの著名登山家を輩出してきた土地で、スポーツマンや冒険家のための理想の時計を作ることを目指した。

▲三角形の赤いロゴは、アルプス山脈に属するスイスのシンボル「マッターホルン」をイメージ

そんな同社の理念は、過酷な自然環境下でも最大限の力を発揮しなければならない、スポーツマンに求められる姿勢に基づくもの。つまり、「忍耐強くあれ、己で考え抜く、本能を信じる、自分のルーツを忘れるな」という姿勢だ。

▲1938年当時の「アルピナ4」宣伝広告

そうした理念により、1933年には世界初のスポーツウォッチの基となる「ブロックウアー」を、1938年にはスポーツウォッチに必要とされる4つの要素である耐磁性、耐衝撃性、防水性、ステンレススチール製を備えた「アルピナ4」を発売することで具現化された。この時期から、スポーツウォッチブランドとしての地位を、本格的に築いていくことになる。

創業から135年を経た今、アルピナは、スポーツマンや冒険家を魅了してきたこれまでの歴史的モデルを復刻。そうしたヘリテージシリーズがどんな魅力を秘めているのか、常に時計ファンの声を集めてきたオンタイム吉祥寺ロフト店の店長、若菜拓人さんに聞いてきた。

■オンタイム吉祥寺店でアルピナの魅力を聞いた

オンタイムは北海道から九州まで、全国31店舗を展開する時計ショップ。そんなオンタイム吉祥寺ロフト店の店長を務めるのが、二級時計修理技能士でもある若菜拓人さんだ。これまで様々な時計を見てきた若菜さんは、アルピナウォッチの魅力を次のように語る。

▲オンタイム吉祥寺ロフト店の店長・若菜拓人さん

「創業から135年を経て、なお健在である時計ブランドは多くありません。アルピナは、その間に起きたクオーツショックなど、多くの苦難を乗り越えてきた数少ない歴史あるブランドです。それだけで価値がありますよね。

特にアルピナは、自社製ムーブメントを作り続けているマニュファクチュールでもあります。さらに“スポーツウォッチの元祖”と言われるだけあり、タフな環境下にも耐えられる高いクオリティを備えている、というのが基本にあります」

若菜さんはそうした点を踏まえ、歴史的にも技術的にも価値あるブランドであることが、大きな魅力だと断言する。

■“人とは少し違う時計をしたい”を叶えてくれる

アルピナのブランドについて語る若菜さんに、オススメの時計を教えてもらった。まず持ってきてくれたのが、プロのパイロットや航空機ファンに向けて発表された、スタータイマーの「パイロット ヘリテージ オートマチック GMT」だ。

▲若菜さん一番のお気に入りモデルとのこと

「写真などでは表現するのが難しいと思いますが、この少しくすんだ文字盤のブルーの色合いがいいんですよ。このブルーは、年月を経て少し褪色したような風合いで、1970年代のケースデザインと相性がとてもいいです。

そのスクエアに近いケースの形が、私の腕にはしっくりとハマります。肉厚なのですが、違和感を感じない着け心地です」

次に持ってきてくれたのが、シーストロングの「ダイバー ヘリテージ」だった。1960年代に発売された「アルピナ10」をオマージュしたモデル。サファイアクリスタル製の風防はドーム型に加工され、クラシカルなイメージとなっている。

▲ダイバーズウォッチとしても、カジュアルにも使える汎用性の高さがポイント

「このガラスの風防の湾曲具合がキレイです。300m防水やインナー回転ベゼル、視認性の高さなど、ダイビングウォッチとしての性能をしっかりと備えていますが、見た目のイメージは小ぶりで主張しすぎることがありません。カジュアルに使うのにちょうどよいですよね」

2本の時計を紹介してくれた若菜さんは、アルピナについて次のように続けた。

「アルピナは、これだけの歴史と技術力を備えているのに、正直に言うとブランドの認知度が高いわけではありません。だからこそ、人とは少し違う時計をしたいという人にその価値を伝えると、すぐに納得して購入されるお客様が多いですね」

 

■伝統と革新を高次元で融合した最新パイロットウォッチ

▲1970年代当時のパイロットウォッチ

アルピナは、創業135年の歴史を振り返ることを忘れない。これまでも本格スポーツウォッチの元祖と言える「アルピナ4」を復刻しているが、過去の遺産を単に再生産しているわけではない。

1970年代に発売されたパイロットウォッチにインスピレーションされた「パイロット ヘリテージ オートマチック GMT」では、現在のパイロットには欠かせないGMT機能を搭載。大幅なアップデートを施すことで、真に現在のパイロットから要求される仕様を達成しているのだ。

アルピナ
スタータイマー パイロット ヘリテージ オートマチック GMT
【AL-555N4H6(左)/AL-555LNS4H6(右)】
価格:各17万4000円(税別)

▲ケース径:42mm×40mm、ケース素材:SS、防水性:6気圧、ストラップ:カーフレザー、ムーブメント:自動巻き、38時間パワーリザーブ

スタータイマーは、プロフェッショナル仕様のパイロットウォッチ。中でもパイロット ヘリテージ オートマチック GMTは、1970年代のアラームウォッチをベースにしつつ、GMT(Greenwich Mean Time:世界標準時)機能を搭載したモデル。ブルーの文字盤に赤い秒針が映える。

▲12時間で一周する時針のほかに、24時間で一周するGMT針(中央の矢印)のためのダイヤルが外周に用意されている

▲視認性が高く、時刻を確認しやすいサファイアクリスタル製の風防を採用。ケースにはヘアラインと鏡面仕上げが施され、エレガントな雰囲気を演出する

▲リューズ操作でGMT針が指し示す時刻を切り替え可能。計3地点の時刻が瞬時に確認できる

 

■ビンテージなデザインに最新ムーブメントを搭載

▲1969年に発売された「アルピナ10」の広告ポスター

1930年には海軍時計が発売され、アルピナの時計はフィールドを広げることになる。そして1969年には、潜水深度が高まるほどに防水性能も高まるスーパーコンプレッサーケースを採用した「アルピナ10」を発売。20気圧の防水性能を実現するとともに、潜水時間の経過を確認するための回転リング機構など、ダイバー必須の機能を完備したモデルとした。

そんな「アルピナ10」が、「シーストロング ダイバー ヘリテージ」として甦った。機能的には、スーパーコンプレッサーケースやケース内側に配置された回転リングなどはそのままに、ケースや風防の堅牢性や防水性能を高めている。

アルピナ
シーストロング ダイバー ヘリテージ
【AL-525S4H6(左)/AL-525G4H6(右)】
価格:各20万円(税別)

▲ケース径:42mm、ケース素材:SS、防水性:30気圧、ストラップ:ラバー、ムーブメント:自動巻き、38時間パワーリザーブ

1969年に発売された「アルピナ10」をベースとしたダイビングウォッチ。潜水時に高まる水圧を利用し、ケース自体のパーツを密着させるスーパーコンプレッサーケースを採用。30気圧防水とし、傷に強く視認性の高いサファイアクリスタルガラスの風防を採用するなど、ダイバーが必要とする機能をすべて備えている。

▲2時位置のリューズで風防内のリングを回転させる。分針の位置に▽を合わせることで、潜水経過時間を把握できる

▲サファイアクリスタル製の風防には、外側と内側に反射防止コーティングを施し、水中での視認性を高めている

▲時・分・秒の針やベゼル外周のインデックスに夜光塗料が塗られ、暗い場所でも時刻を確認しやすい。

スポーツウォッチの原点を作り出し、機械式時計にこだわり続けてきた「アルピナ」。長いブランドの歴史を持つマニュファクチュールとしての矜持を保ちつつ、変革を恐れない姿勢。まさに「忍耐強くあれ、己で考え抜く、本能を信じる、自分のルーツを忘れるな」という創業当初からの理念が、最新モデルにも宿っているのを強く感じる。だからこそアルピナの時計に誰もが魅了されるのだ。

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アルピナ相談室
☎0570-03-1883
(受付時間/9:30-17:30)※祝日を除く 月~金

(取材・文/河原塚英信 写真/湯浅立志 スタイリスト/宇田川雄一 衣装協力/ゼロハリバートンのアタッシュケース(上)7万5600円、(下)8万1000円:ゼロハリバートン カスタマーサービス ☎0120-729-007、ほかスタイリスト私物)