[Gear Maniax #番外編] 変態ライトがいっぱい!200回記念アクセスランキングTOP10

■フラッシュライト用語集 メーカー編

<米国系>

▼SUREFIRE(シュアファイア)

一般的なアウトドアショップやホームセンターでは、まずお見かけしないメーカーです。しかし、北米ではゆるぎない人気と信頼をもったメーカーとして人気です。

その理由は生い立ちにあります。1984年に開催されたロサンゼルスオリンピック。当時、警備の任にあたったロス市警は、映画などでもおなじみの特殊部隊SWATを創設したことでも有名ですね。そのSWATが装備する上で「小型で強力な明るさ」を兼ね備えた携帯灯具のトライアウトがあり、選ばられたのがSUREFIREでした。

その後、SUREFIREは、軍・警察関連の標準装備品として普及し、現在もなお揺るぎないポジションを獲得しています。

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▼STREAMLIGHT(ストリームライト)

米国を代表する総合懐中電灯メーカーの1つ。アメリカのポリスメンが小脇に挟んで免許書を確認していたら、それが「STREAMLIGHTのスティンガーだ」と呼ばれるほど普及したライトです。

SUREFIREがSWATなど「特殊部隊」的な用途で使われていたのに対して、ストリームライトは、お巡りさんのライトに力を入れていました。それは、SUREFIREほどコンパクトではないが、車載充電できることを重視したためです。その充電技術は、ポリスだけでなく、ファイアーファイター(消防士)用のライトとしても確固たる地位を獲得することに成功しました。

つまり、充電式のアメリカのライトといったらSTREAMLIGHTが真っ先に思いつく訳です。メンテナンス性と実用性に溢れた製造理念は現在もなお続いており、買い替えが容易に行えない官公庁系のライトとして人気があります。

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<中華系>

まず最初に言いたいのは、中華=粗悪品 という概念は古い!ということです。確かに、ひと昔は酷いものでした。現在もバカ安なものに関して言えば、その傾向はあります。しかし、私たちがここで紹介してきた中国メーカーのライトは「時代の最先端」といっても過言ではないテクノロジーが詰め込まれており、新しもの好きの人であれば、間違いなく中華系ライトをお勧めします。

米国系は官公庁に入ったことで、良くも悪くも「持続可能」な構造やデザインを維持しなければなりませんでしたが、民生市場を狙った中国メーカーは、それらの制約にとらわれない、ユニークでぶっ飛んだスペックのライトを作れたのです。

国際的な経済・政治事情により、中華系を排除する、または敬遠するような動きがありますが、「良いものは良い」と素直に認められる成熟した北米市場では、中華ライトはもはやスタンダードです。日本でも巨大ネットモールを中心に、中国企業が進出し、自社ブランドを販売する傾向にあります。

 

▼NITECORE(ナイトコア)

もはや中華系では老舗の貫禄。革新的かつマーケットの動向を的確に捉えたモノづくりは、流石といえる域に達しています。挑戦的なモデルも多く、細かい点を言えば未完成の部分もありますが、80%でリリースしてユーザーの反応を見てマッシュアップしていくような感じです。それゆえ、新作の賞味が短く次々と新しいモデルをリリースしているイメージがあります。以前に比べるとネタ的な明るさよりは、実用性に優れたスペックに移行しています。

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▼ACEBEAM(エースビーム)

NITECOREのような老舗中華が実用路線に走ると、そこから逸脱した最早ネタのような過激なスペックを備えたメーカーが出てきます。その1つがこのACEBEAM。とにかく明るく、ぶっ飛んだルーメン値のモデルが多い。もしくは、ものすごい挟角に集光されて照射距離があるモデルなど、良くも悪くも過激。ただ、製品のつくりは良く、ボディの切削などの造形から構造まで非常によく考えられていますし、質感も高い。効率性を重視したデザインなので見た目に新しさはありませんが、しっかりと作られていると感じるモノです。

とにかく明るいライトをお探しの方は、このブランドをチェックしてください。

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■フラッシュライト用語集 専門用語編

▼ルーメン(lumens)

明るさの単位の1つ。懐中電灯ではこのルーメンという数値が一般的に使われます。その以前はワット(W)で表記されることが多かったのですが、ワットは仕事量なので、それが大きいと「不効率」の証となってしまいます。現在は米国の工業規格であるANSI FL1スタンダードの計測基準に準拠したものがほとんどです。それだけ北米での需要が高く、それが世界的な計測基準となっています。

あくまでの明るさを示す数値の1つに過ぎず、ルーメン値が高いから遠くに光が飛ぶわけではありません。LEDの光は、他の光源に比べ「飛ばない」性質があり、光を前方に飛ばすためのさまざまな光学システムが各社、各モデルで採用されています。

 

▼カンデラ(K)

光源の眩しさを表す単位。LEDは元々カンデラ値が高い光源です。そのため、信号機や標識などに早くから取り入れられてきました。懐中電灯では、この数値が高いと「集光性」が高いと判断できます。つまり、光を細く遠くに飛ばせるということです。遠方を照らしたいモデルを探している人は、このカンデラ値を参照すると良いでしょう。

 

▼リフレクターやレンズ(光学システム)

前述のとおり、懐中電灯は光を前方に飛ばすためにさまざまなパーツを使用しています。主にすり鉢状の鏡面もしくは細かな凹凸の付いたものをリフレクター(反射板)と言い、中心に光を集め、その周辺にも光が散るタイプの配光を生み出します。対してレンズは、単焦点式もしくはレンズが前後に可動するズーム式が存在します。リフレクターとは異なる配光になり、近くをワイドに照らしたり、レンズを絞って光を集光させたりできるものがあります。用途や好みで選ぶのが良いかと思います。

 

▼CR123Aリチウム乾電池

3Vの小型の乾電池。日本で懐中電灯の電源として普及したのは単三電池や単四電池です。単三も単四も、そしてもっと大きな単二も単一も電圧は1.5V。一方この電池は、その倍の電圧を持っていて、同じ電圧のライトであれば当然全長は短く、軽量なライトになります。主にSUREFIREなどのタクティカルライトで多用されており、1本辺りの価格がアルカリ乾電池に比べ高価であるのも特徴です。

他にも、外気温の変化に強い、自然放電がほとんどない、液漏れしづらいなど、過酷な環境や備蓄に適した乾電池でもあります。最近は、充電式のリチウムイオン充電池にとって代わられつつありますが、その優れた性能はいまだ他の乾電池では実現し得ないものでもあります。

 

▼18650形充電池

18650とは充電池のサイズで規格の1つで、懐中電灯ではとてもポピュラーな充電池の規格です。前述のCR123Aを2本直列で並べたようなサイズ感。使用されている素材はリチウムイオンまたはリチウムマンガンがほとんど。ノートPCから電気自動車まで幅広く使われています。

容量は2000~3500mAhくらい。あまり法外な数値が書いてあるものは疑った方が良いですね(笑)。サイズが特殊なので専用の充電器が必要になります。最近は、充電池本体にMicroUSBケーブルが直接挿せるものや、ライトに装填しライトに内蔵された充電器で充電するものもあります。いろいろ便利にはなっているので、自身が運用する方法を考えた上で選ぶと良いでしょう。

 

▼ニッケル水素充電池

電圧が1.2Vの充電池。日本では「エネループ」や「エボルタ」の名称で知られる製品もある、ポピュラーな充電池です。懐中電灯でもよく使われますが、実はあまり懐中電灯には適していない充電池です。問題は、過放電や充電池のショートによる発熱で、電池内部からガスが発生した場合、密閉度の高い昨今の懐中電灯で使用すると爆発の危険があります。昔の気密性の低いライトでは問題ありませんでしたが、防塵、防水を謳ったライトが増えた現代では、あまり推奨されない充電池です。

ただし、一部のメーカーではガス抜きのベンチレーターを備えたモデルもあるので、絶対ダメという訳ではありません。ニッケル水素充電池を使いたい場合は、あらかじめ使用するライトのメーカーに確認することをお勧めします。

 

▼リチウムイオン充電池

定格電圧3.7V、最大4.2Vの高性能充電池。もはや現代人の日常を支える電子機器でこの充電池が使われていないものはないぐらいお世話になっています。サイズは18650形もそうですが、さまざまあります。懐中電灯は明るい方向にベクトルを向けているので、よりサイズの大きなリチウムイオン充電池を搭載する傾向にあります。

 

▼液漏れ

乾電池、特にアルカリ乾電池をライトに入れっぱなしにし、使うこともなく放置すると起きる厄介な現象です。乾電池の中の電解液が漏れ出して接点を腐食させ、故障させます。また、蓋部分のスクリューに電解液が染み込むと、ライトを開けることすらできなくなります。そうなったら諦めて新しいライトを購入すべし。

*  *  *

最後に電池に関して一言。実際に使ってよく学んでください。買ったライトはまず第一に「実際に使うこと」。滅多に使わないのであれば、電池は抜いておくこと。そして何より、乾電池でも充電池でも「消耗品」であることをお忘れなく。ライトが点かなくなったら電池を新品に交換すること。話はそれからです(笑)。

懐中電灯はどんどん明るさを追求する方向で作られています。まだまだLEDは高効率化する可能性を持った光源ですが、それをスタンドアローンで、しかも小型化する方向で懐中電灯は作られているため、電池にかかる負荷は半端ありません。次々と新しい規格やタイプの異なる電池が登場することは致し方ないことなのです。つまり、ユーザー側もそういった最新のライトを手にしたいと思うのであれば、まずは勉強することから始めてみませんか。

<文/HATTA>

HATTA|通販サイト・アカリセンターで取り扱っている世界中の懐中電灯やギア物を紹介しています。ブログも絶賛更新中!
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