湿気の多い日本でも結露の不安なし!ヒルバーグ「アナリス」を試してみた

■収納袋はあえて大きめ

ヒルバーグのテントは、収納袋をあえて大きくしています。これは「雨や風といった悪天候時の撤収で小さな袋に押し込むのは大変」という創業者の経験から。また、大きめの袋であればほかの荷物に合わせてカタチを変えやすく、素早くパックに詰められるという理由もあるようです。

収納サイズはφ11×43cm。ヘリノックス「チェアワン」に比べるとずいぶん大きく感じますが、収納袋はまだまだゆとりがあり、別売のフットプリントなら余裕で入りそう。

収納袋の中にあるのはフライとインナー、ペグ、張り綱。ポールはなく、手持ちのトレッキングポールなどを使います。総重量は1.4kg。全高は110cmなので、110~120cm程度に調整して使います。

収納袋から出し忘れたのですが、ペグは硬化アルミニウム製のYペグUL。10本4000円のものが12本付属されているので、それだけでもなんだかうれしくなってしまいます。

 

■インナーとフライ一体が便利!

ヒルバーグのテントはフライとインナーがつながっていて、あとからわざわざフライをかける必要がありません。

フライシートを地面に広げてみました。手前と奥にファスナーがあり、前後、左右が同じ形だとわかります。

黄色い部分がインナーの壁。赤いフライシートとトグルであらかじめつながっているんです。

インナーの床は長方形。床にシワが出ないようペグで固定していきます。

トレッキングポールを120cm程度に伸ばし、グリップ部分をテント天井の筒に差し込みます。ヒルバーグ製トレッキングポールを使っていますが、筒は切れ込みがあるので他社製でも差し込めそう。

トレッキングポールを固定するために張り綱をペグダウン。インナーは両サイドが高く立ち上がっているので、インナーの張り綱も忘れずに。

ちなみにペグは非常に軽いのですが、石混じりの硬い地面でもぐいぐい入っていきました。

バランスを見てトレッキングポールの長さを調整して完成です。

 

■劣化しづらく引き裂きにも強いケルロン採用

「アナリス」に採用されているのは軽さを重視したケルロン1000。軽いといっても一般の極地向きテント生地よりも高強度だし、加水分解しづらいので長く使えます。

290×220×H125cmなので、立って入るというよりは潜り込むイメージです。

インナーは両サイドが10Dリップストップナイロンですが、前後2面はメッシュ。フライ両側を開くと夏も涼しく眠れます。

また、フライシートは少し短めなのでフルクローズにしても換気がスムーズ。雪が降りそうな日は厳しそうですが、結露で寝袋が濡れるのを抑えられるので冬用寝袋を使えば晩秋まで使えそう。

2人が眠っても荷物を置くスペースを確保しています。また、両脇が立ち上がっているので端の方まで使えるのもうれしいですね。

フライシートとインナーはトグルでつながっています。だからインナーを取り外して、シェルターのように使ってもよし。インナーなしなら640gの超軽量です!

トレッキングポールはフライシートの筒に差し込んでいるのでインナーだけの利用はできませんが、真夏の熱気を輩出するためにフライを片側に寄せる、両側から巻き上げるなんてことはできます。

ヒルバーグの生地“ケルロン”は繊維にシリコンをしみこませているので、小さな穴程度なら手でもみこむことで塞がります。それに、一般的なテントは使用状況、保管状況によりますが早ければ5年ほどでコーティングが劣化することも。

「アナリス」は一般的なソロキャンプ向きテントの2倍の価格ではありますが、10年以上変わらぬ機能を維持できるならばかなりオトクだと言えるでしょう。

*写真/ヒルバーグ

1973年、創業者が最初に世に出し、ヒットしたテント「ケブ」。これをヒントに、最先端の技術でよみがえらせたのが「アナリス」です。

この記念すべきテントでソロキャンプをするのもおつなモノです。

>> ヒルバーグ

<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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