ふなんこぐいは、10月〜3月の季節限定で出している。サラダや茶碗蒸し、小さなおかずが付いたちょっと贅沢な御膳で提供。ここでのささやかなお楽しみは最後にお茶漬けにすること。これは元来からの食べ方ではなく、ひつまぶしからヒントをもらったオリジナルの食べ方である。
ほぐしたふなんこぐいと、ねぎ、生姜、大根おろしなどをごはんの上に乗せ、和風出汁ベースのお茶を注ぐ。こうすると味に変化が出て、さらさらと食べられてしまう。
▲ふなんこぐいの御膳。他の料理も付いて豪華。
▲臭みは全くなく、昆布ダシが効いている。しみしみになった大根も美味しい。
▲最後にお茶漬けにできるお楽しみセット。
▲大根おろし、ネギ、生姜も一緒に食べるとさっぱり。
ちなみにお持ち帰りも販売している。大根も入り、スープがたっぷり入った状態で真空パックにしているので、温めてそのまま食べられる。懐かしいと買うお年寄りも多いが「若い人に珍しがってもらい、この土地の昔ながらの食文化に興味を持ってもらえたら嬉しい」と新井さんはいう。まだまだ人知れずな郷土料理だが、食べてみれば美味しいという事実と、新井さんの情熱ある行動に、心強さを感じた。
■※ おまけ 佐賀の謎な珍味
▲うみたけ。8cmくらいの大きさの二枚貝。干物にするとスルメのようでいて、もっと濃厚で噛むほどに味わい深い。
▲くちぞこ。舌平目の一種。靴の底に似ていることから「くつぞこ」が次第になまって、そう呼ばれる。煮付けが美味しい。
▲ワケノシンノス。イシワケイソギンチャクのこと。意味は「若者のお尻の穴」!! 写真は味噌で煮たもの。
>> 道の駅鹿島
佐賀県鹿島市大字音成甲4427-6
0954-63-1768
>> 足湯BARクロニクルテラス
佐賀県嬉野市嬉野町大字岩屋川内甲379 旅館吉田屋
0954-42-0026
>> 味彩あらい
佐賀県神埼市千代田町姉1958-2
0952-37-6217
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(写真・文/江澤香織)
えざわかおり/ライター
食、旅、クラフト等を中心に活動。著書『山陰旅行 クラフト+食めぐり』『酔い子の旅のしおり』(マイナビ)、『青森・函館めぐり クラフト・建築・おいしいもの』(ダイヤモンド社)等。酒蔵めぐりをメインとしたツアーやイベント「だめにんげん祭り」主宰。最近は日本海側、発酵食品、イカなどに興味あり。















































