ボックスアートを参考にスケールを意識して波を作る!【達人のプラモ術<米海軍空母エンタープライズ>】

■船体をマスキング

次は船首部分の波を作ります。モデリングペーストは盛り上げると乾燥に時間がかかるのでポリパテを使います。

いったん船体の乾舷をマスキングテープでカバーして両面テープで塗装した海面ベースに仮付けしておきます。

▲船体にポリパテが着かないようにマスキングテープでカバーしておく

▲船体は両面テープで塗装したベースに仮固定する

ポリパテはプラモデルの改造などに使用するパテで、硬化剤を混ぜることで約60分で硬化します。ポリパテを盛り付けて、艦首両側の盛り上がった波を、ヘラなどを使いポリパテの硬化が始まる60分以内で波の形を造形していきます。後から削ることもできるのでカタチはざっくりでも構いません。

▲ポリパテを使い艦首の波を立体的に表現

同じように艦尾側も泡立つ波を作ります。ポリパテが硬化したら、いったん船体を外します。船体を外した際にポリパテの波が崩れてしまっても瞬間接着剤で貼り付けて修復できます。

 

■波の塗装

ポリパテ造形した艦首の波部分、さらに船体側面部分をエアブラシで白で塗装していきます(筆塗りでもOK)。

▲泡立つ波を再現するため、船体周囲と艦首艦尾にポリパテで再現した波部分を艶消しの白で塗装しておく

さらにベース全体に透明メデュム、ホルベイン「ジェルメディウムヘビーボディ」を筆で盛り付けていきます。ジェルメディウムは見た目は白いのですが、塗布後乾燥すると透明になり深みのある海の質感を再現できます。また盛り上げることもできるので波の質感もよりリアルに再現できます。塗布後、透明メデュムを完全に乾燥させます。

▲波に透明感を持たせるためジェルメディムを全体に塗布していく

▲マスキングテープをはがした船体を置いてみて不自然な隙間や波の具合をチェック。問題がなければ船体を接着固定する

これで海面ジオラマのベースが完成しました。次回はさらに塗装で波を描いてよりリアルな洋上ジオラマを目指します。お楽しみに!

 

■今回使用したアイテム

ホルベイン
「モデリングペーストライト 900ml入り」(2475円)

海と波のベースとなる素地の製作に使用。アクリル画用下地用盛り上げ材。粘度が高く立体的な下地を作れて、乾燥後に切削もできる。今回使用したのは軽量タイプのライト。高密度タイプやざらっとした砂目タイプなどもある。

▲かなり固い感じの粘りがある。水で希釈すると薄く延ばせる

 

ホルベイン
「ジェルメディウムヘビーボディ 300ml入り」(990円)

今回、海の透明感再現と立体感の表現に使用。高粘性タイプのジェルメディウム。塗布することでつやと透明感が表現できる。アクリル絵具に混ぜて色を付けることも可能。ペインティングナイフなどでエッジを立てて立体的な表現もできる。

▲ドロッとしているが流動性があり、希釈しなくても筆で塗り広げられる

 

タミヤ
「ポリエステルパテ」(1078円)

艦首と艦尾の波の表現に使用。主剤と硬化剤を混ぜることで硬化する2液性パテ。硬化前はペースト状なので、盛り上げや細かな部分への充填もやりすい。硬化後は肉ヤセやヒケがなく、削って成型もできる。120gチューブ入り。

▲付属の硬化剤を混ぜてから約1時間で硬化が始まる。硬化剤の混ぜ方が甘いと硬化不良おこすので要注意

 

★達人流製作のポイント

①波のイメージはボックスアートを参考に

②スケール感を意識して波を表現する

③波の立体感をポリパテで再現

 

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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