一度見たら忘れられない!? 異形の輸送機「ベルーガ」を製作!【達人のプラモ術<エアバスA300-600ST ベルーガ>】

■キット解説

エアバスA300-600STベルーガはドイツレベル社が1997年にキット化しました。発売から26年となります。人気の高いキットですが、長らく生産が休止されていたこともあり、模型店でも見かけなくなっていましたが、2023年7月、久しぶりに再販。達人的にも速攻で購入した次第です(モデラー教訓:買わずに後悔するなら買って後悔)。

基本的は旅客機のバリエーションといったキットなので、パーツも少なく、シンプルな構成のモデルとなっています。

とは言うものの、なにしろシロイルカのフォルムです、巨大なカーゴベイをしょってます。なので1/144スケールでも完成時のモデルサイズは全長382mm×翼幅316mmにもなります。

▲パーツは少な目、これにデカールが付属する。できればディスプレイスタンドが欲しかった

▲1/144スケールだが胴体はこのボリューム! ベルーガの特徴的スタイルをよく再現している

▲垂直尾翼裏側にRevell社と1997年製造の刻印が打ってあった

▲今回の再販にあたり、デカールは、運用されているベルーガの最新塗装仕様にアップデート。1号機から3号機までを選べる

 

■カーゴベイドアを開けて製作!

先にも書きましたが、キットはエアラインのモデルではよく見られる、外観のディテールを重視したプロポーションモデルです。なので機体内部やコクピットなどは再現されていません。ディスプレイスタンドと組み合わせてデスクトップモデルとして製作しても良いかもしれません。

しかし胴体パーツの裏側を見ると、機首のカーゴドアに沿ってカットラインがモールドされています。インスト(組み立て説明書)に目を通したら「ここをカットすればカーゴハッチを開いた状態も作れます(選択式)」となっていました。ベルーガは輸送機ですからね、これは開けて作らなくちゃモデラーの名が廃ります。

▲インストでは、選択式でカットすればカーゴハッチを開けることができると説明されているのだが…

しかし! しかしですよ。機体内部は何も再現されていないんですよ。貨物室内部のリブどころか、床もありません。切り離したハッチの裏側もしかりです。なにも再現されていません。

まぁメーカーとしては、切り離しのガイドをモールドしておいたから、あとは自作ということでヨロシク! って感じなんでしょう。なので、カーゴハッチは閉状態で作るのが良いかと。しかし気が付いたらカーゴハッチを切り離しておりました…。

切り離しちゃった以上は、カーゴルームの内部(床とか隔壁とか)を再現しなくちゃいけません。頑張ります。

 

■1ミリ角のプラ棒をひたすら貼り付けていく

さて、カーゴハッチを切り離したのち、カーゴルーム内部は、まず床を0.5ミリプラ板で自作します(剛性のある1ミリではなく0.5ミリを使ったのは加工のしやすさを優先したため)。

胴体の内壁に沿って、細かく補強のためのリブが取り付けられています。これを1ミリ角のプラ棒を使い再現します。指でしごいて曲がりグセをつけた1ミリ角のプラ棒を10ミリ間隔で内壁に接着していきます (これが結構大変)。

▲航空ショーでハッチを開けたベルーガ。こういう画像を見るとやはりはカーゴハッチを開けた状態で作りたくなる

▲機体塗装が白なので、まずは光の透過を防ぐために胴体裏側をMr.サーフェィサーのブラックで塗装しておく

▲胴体カーゴハッチの裏側にはカット用のガイドラインがモールドされていた

▲機体外側カーゴハッチ部分(スミ入れで描いたライン)

▲カーゴハッチを開けることにして、カットラインに沿ってハッチを切り離した状態

▲切り離しはしたものの、胴体内部のディテールは一切再現されていないので、自作することになる

▲0.5ミリプラ板でカーゴルームの床を自作

▲床を胴体内部に入れるとこうなる

▲胴体内側の補強リブを再現するため1ミリプラ角棒を10ミリ間隔で接着していく

▲タミヤ「プラ材1ミリ角棒(10本入り)」(369円)

*  *  *

というワケでドイツレベル「1/144 エアバス A300-600ST “ベルーガ”」の製作第1回はここまで、次回は機体内部を完成させます。お楽しみに!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

【関連記事】

◆華麗なるアメリカ海軍飛行展示チーム「ブルーエンジェルス」をF-4JファントムⅡで製作!【達人のプラモ術<F-4JファントムⅡ ブルーエンジェルス仕様>】
◆ブガッティが作った幻のエアレーサーの1/48スケールモデルを製作!【達人のプラモ術<ブガッティ100Pエアレーサー>】
◆傑作ヘリ「SH-60」米海軍HSL-51“ウォーローズ”所属機を製作【達人のプラモ術<SH-60B シーホーク>】

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする