今年は飛ばすぞ!乾電池「エボルタ」が有人飛行にチャレンジ!

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毎年、さまざまな記録に挑戦してきたパナソニックの乾電池「エボルタ」。昨年は、単1形乾電池エボルタ600本で鉄道車両を走らせ、走行距離22.615kmというギネス世界記録を達成した。

そして今年はなんと、乾電池で飛行機を飛ばすというのだ! 陸だけでは飽き足らず、とうとう空へと飛び出そうとするエボルタ。そのパートナーとしてタッグを組むのが、人力飛行機の全国コンテストで過去2回3位を記録、ソーラーカーでも有名な東海大学だ。

しかし、そもそも乾電池は飛行機を飛ばせるほどのパワーが生み出せるのだろうか。

 

■琵琶湖縦断飛行でギネス世界記録にチャレンジ!

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普段、身の回りで使っている単3形乾電池を動力源にして大空を滑空。そして今回も、飛ばすことだけが目的ではなく、ギネス世界記録を目指すという。

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ギネス記録に認定されるためにはさまざまな条件がある。これらをすべてクリアして、はじめて記録認定されるのだが、「エボルタチャレンジ2016」の説明会では、10kmという記録ラインのはるか先を見据えていることが分かった。

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チャレンジの舞台は琵琶湖。彦根港からテイクオフして目指すのは、10km地点などではない。さらに遠くにある琵琶湖大橋なのだ。

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左:リーダーの東海林さん 右:パイロットの鷹栖さん

今回のチャレンジの主役である東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト・人力飛行機チーム(TUMPA)のリーダーで、工学部 動力機械工学科3年の東海林 聡史さんは、挨拶で「やるなら成功させます!」と力強く宣言。パイロットである、工学部 航空宇宙学科3年の鷹栖啓将さんも「新たな挑戦が多いですが全力を尽くします」と強い意気込みを伝えた。

 

■全長の4倍近い長さの主翼が特徴の美しい飛行機!

TUMPAのふたりの力強い言葉はおそらく、今回のチャンレンジに使用される機体への信頼の現れなのかもしれない。

“低翼機”と呼ばれる下部に翼を取り付けた機体は、TUMPA発足から40年に渡って作り続けてきたものをベースに設計されている。幾度も改良を重ねてきたであろう機体は美しく、完成度の高さがうかがえる。

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もちろん、これまでは人力プロペラ機として作られてきたため、今回のチャレンジに際して、乾電池による電動プロペラ機へと設計は変更されている。しかし、基本的な構造は変わっていない。

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なんといっても最大の特徴は、主翼だ。翼幅はなんと26.2m! 7.1mある全長の4倍近い長さだ。翼面積も、これまでTUMPAが作ってきた機体の1.5倍になるという。

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これは電池による重量増を受けての設計変更だ。パイロットの鷹栖さんは「今のところ電池で10kg台の重さを想定しています。でもこれはエボルタだからこの程度の重量増で済んでいるのではないかと思っています」と話す。

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プロペラも、設計変更がなされたパーツのひとつだ。重量増と出力増により、掛かるパワーも1.5倍になる。このパワーを受け止めるため、強度を高めてあるという。さらに、これまでとは違い長距離を想定するために、断面形状をミリ単位での変更が施されているという。

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強度だけでなく軽さも重要になるフレームはカーボン製。まさに、機体を支える屋台骨だ。

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コックピットには外装を開けて乗り込む。発表会の時点では、まだ計器類などの電装系は取り付けられていなかったが、パイロットはほぼ寝転がるような体勢で操縦するため、その体勢でも見られるよう工夫されているとのことだった。

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そして肝心なエボルタはどこに載せられるのか。実は、脚部に取り付けられた前後のタイヤの間になるという。機体下部など、設計段階ではいろいろと検討がされたそうだが、最終的には全体の中で最も低い場所に積載されることになったようだ。

40本の単3形エボルタをひとつのユニットとして、これを約12個。500本前後のエボルタを動力源に、約77kg(パイロットを含めると約130kg)の機体を空に飛ばす。

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TUMPAの学生51人とエボルタの挑戦は、11月3日の早朝6時30分、滋賀県彦根市の彦根港でテイクオフする。これから本番まで約1カ月。最終調整に入るとのことだ。大きな羽を持つ美しい飛行機が琵琶湖の空を優雅に飛行する姿を想像すると、今から楽しみだ。

エボルタチャレンジ >> http://panasonic.jp/battery/drycell/evolta/challenge/

(文/&GP編集部)