「自家発電自転車」から「消える魔球」まで!防災グッズ最前線とは

■備えの基本は「食料」「水」「トイレ」

今回お話を伺ったのは、防災用品専門店「SEI SHOP(セイショップ)」店長の布山夕紀さん。防災士の資格を有し、お客様ひとりひとりにあった商品や備蓄についてアドバイスをしています。

▲店内のコンセプトは、鴨長明が晩年を過ごした方丈庵。4つの柱で区切られた空間で、方丈庵の大きさを再現。方丈記には、当時日本国内で発生したさまざまな災害が記されており、彼は地震に強い四畳半程度の小さな庵に起居してこの随筆を書き上げたと言われている

▲店長の布山夕紀さん

「絶対に備えておきたいのはこの3つ」と布山さんが断言するのは、生命にかかわる「食料」と「水」、そして「トイレ」に関わるグッズ。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.「食料」

▲25年の備蓄が可能な「サバイバルフーズ」。1缶1728円~。NASAが開発した特殊な技術で作られている

「備蓄食を選ぶときは、自分がおいしいと思えるものが第一条件。おいしい食事にはストレスを和らげる効果があります。非常時だから味は二の次、ではなく、非常時だからこそおいしいものを食べることが大切です。備蓄食の点検をこまめにできるならば普通の缶詰やレトルト食品でもよいのですが、意外と面倒なもの。長期保存が可能なものだと安心です」

▲賞味期限は2042年2月まで! なかなか見ることがない2042年という数字の並びに超・長期保存のすごさを実感

「高度なフリーズドライ技術で、お湯または水で戻すだけの簡単調理。おいしさはもちろんのこと、合成保存料は使用してないため、安心してお召し上がりいただけます」

クラッカーと1番人気のチキンシチューをいただいてみました! シチューは彩りが美しく、ポテトのほくほく感がたまりません。クラッカーは厚みがあり、しっかりお腹にたまります。

備蓄食は、購入してただ保存しておくのではなく、必ず一度は作って食べてみること! いざというときの調理がスムーズにできますし、好みの味を見つけるきっかけにもなります。

2.「飲料水」

また、食料とともに備蓄しておきたいのが水。

「大人1人につき、最低1日2Lの水が必要と言われています。家族の人数に合わせて、水を準備しておきましょう。SEI SHOPでおすすめしているのは長期保存が可能な災害備蓄用の保存水。市販の水よりも割高ですが、容器がしっかりとしていて空気が入らない仕組みになっています」

▲左から、5年保存が可能な富士ミネラルウォーター(500ml・1L・2L)、15年保存できる、カムイワッカ麗水15年(500ml、1L)。富士ミネラルウォーターは2L×6本入りで2484円、カムイワッカ麗水15年は2L×6本入りで4104円

3.「トイレ」

「災害時には断水で水洗トイレを使用できなくなる場合も。衛生面や臭気など、トイレに関するストレスは想像以上に過酷です。非常時にもできるだけ普段に近い形で用を足すことができると心身の負担が軽減されます」

▲ほっ!トイレ タブレット(10回分)/2160円

「ほっ!トイレ タブレット」は、薬剤が排泄物を包み込んで固める仕組み。普通の水洗トイレにビニール袋をセットし、このタブレットを入れて使用します。排泄物に含まれる雑菌を除菌し、臭気やガスの発生を抑えるので、長期間ゴミを捨てることができないときもストレスを軽減してくれます。一般的な非常用トイレ処理剤は、排泄後に薬剤を振りかけて固めますが、このタブレットはあらかじめ入れておくタイプのため、汚物をあまり見ずに処理できるのも利点です。

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