ショップ・キャンプ場・メディアが語る2021年キャンプシーン予測【いま買うべきキャンプギア】

■キャンプ道具のアパレル化が進行中

▲最新ギアが揃う「sotosotodays」

モノでいえば、2020年はメスティンやホットサンドのヒットが印象的だった。今年はどんなものが注目されるのだろうか?

野毛「昔からあるものがある日突然、再燃する傾向は続くでしょう。ヘリノックスのチェアも落ち着いたと思ったらまたよく売れているんです。旅行などキャンプ以外のことを楽しんでいた人たちがコロナ禍で代わりにキャンプをはじめています。旅行などに使っていた潤沢な予算で道具を購入するわけで、少し前に流行ったモノ、他人と違うものを手に入れる。これが再燃の理由かも」

宮田:「道具のアパレル化が進んでいますよね。機能性重視ではなく、複数の道具を持っていて洋服のように気分やキャンプ場にあわせて選ぶ感じ。毎回違うテントを持ってくる人もいて。クルマにせよ道具にせよ、裕福なキャンパーが増えたと実感します」

沖田:「テントでも一時期すっかり見かけなくなったロッジ型テントの新作が増えています。ドーム型に比べて重いけれど、それでもよく売れていると聞きます」

宮田:「キャンパー自身がスタイルの多様化を意識していて、自分のスタイルにあうモノをわざわざ探し出すようです」

▲「武井バーナー、ペトロマックスHK500も入荷すると即完売します。人と違うものを持ちたいからなのでしょう」(野毛さん)。新作でもちょっと懐かしいデザインに、今どき素材や機能を搭載したテントが増加している

▲「アウトドアライターである赤ワイン氏が、大好きなミルクガラスで作ったマグカップです。買うだけでなく、キャンプ好きが道具を作って販売できる環境となったのがすごい」(沖田さん)

 

ガレージブランドが増えているのも、スタイルの多様化、人とは違う道具を持ちたい欲求のあらわれなのだろうか?

野毛:「とくに焚き火台はいろいろな業種が参入しています。こだわりのある人が既存の物に満足せず作ったので、それぞれいいところがある。どれがオススメと言いづらくなっています」

沖田:「大手が作ったものは軽くて機能的だけど、後発組は組み立てが面倒で重いものも。でも、その不便、面倒くささを楽しんでいますよね」

宮田:「軽さ、機能性が正義ではなくなったんでしょう。僕もいろんな道具を使ってきたんですが、近頃は本当に必要なのはなにかを考え、断捨離を進めています。残ったものが宝物。手元に残したのは韓国ガレージブランドのタープにもなる軍幕で、最近はこれで車中泊もいいかなと思っています」

▲宮田さんの手元に残ったDECEMBERのチェア。「軽いし、座ってもサイドテーブルとしても使えます。今後はバンライフ的な過ごし方でもいいのかもと思っています」

沖田:「ボーイスカウトをしていて初期のコールマン・スポーツスターを持っていました。当時は面倒で手放したんですが、今になって後悔。考えてみると何十年も、手に入れては処分して後悔...を繰り返しているんですね。今、たくさんの道具に囲まれている人がいますが、気分で選ぶ時代の次は必要なモノを選択する時代に入るのかもしれません」

▲炎が見えて焚き火ライクなストーブに注目。「従来の鉄板の箱じゃなくて、炎が見えるのがいいですね」(宮田さん)。薪ストーブや焚き火人気はスゴイものがあって、今後はマナーや安全性が焦点になりそうとも

▲ニーモからコンパクトなテーブルとチェアが登場。「風で倒れにくいしリクライニングできる。脚をきっちり差し込むための線などよくできています。ファニチャーは品薄続きなのでこれも早めに手に入れるほうがいいでしょう」(野毛さん)

▲今年は軽量ジェットボイル、コールマンのシングルバーナー、スノーピークのサカンなど話題作がいっぱい。「小さなバーナーがよく売れています。自宅で使えるイワタニのフォアウインズは今後も注目されそう。SOTOのヒノトは充填式なのが新しいですね」(野毛さん)

▲「ゴールゼロやレッドレンザーの小さいLEDランタンは勢いがあります」(沖田さん)。「ガレージブランドからカスタムできるパーツが登場すると人気が加速。コールマンの新作シングルバーナーなんかは、再塗装して売る人がいそう」(野毛さん)

※2021年4月6日発売「GoodsPress」5月号掲載記事をもとに構成しています

>> 【特集】いま買うべきキャンプギア

<文/大森弘恵 撮影/逢坂聡>

 

【関連記事】

◆ツインポールテントあるあるな結露の不快を軽減した「BLACK SUMMIT GG8」 
◆ニーモの新型テントは前室広々!チェアやテーブルも入れられるぞ! 
◆ハンモックのようにゆらゆら揺られてまったりリラックス! 

 

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする