1760円のロングセラー!話題のちっちゃな「スツール」は座り心地だって悪くない!

■ずっと生地のテンションを維持できる

広げるだけのチェアは、組み立てやすいけれど、ちょっと動かしたときにパタンと閉じてしまいがち。座っているうちに座面がたるむのも悩みです。

一方「フォールディングスツール」は、ロックするというひと手間がかかりますが、その分、形が安定します。

生地とフレームの一体型なので細かな取り付けパーツはありません。それに可動部の動きはスムーズですが、取り出したときに勝手に広がるほどユルユルではない、そこも好印象。

フレームを開きます。両側に脚と座面をつなぐウェビングがついているので、開きすぎたり、脚が交差してどっちがどっちなのかわからなくなったり、なんてことはありません。

フレーム下部両側に金属パーツが付属していて、これを接続するとロックされるという仕組み。単純だけど間違いなくロックできるし、幅があるので歪んだり折れたりという不具合も起きにくい。長く使える工夫です。

ただ、このロック、ちょっと硬く感じるかも。

手だけで接続するよりも、フレームを横倒しにして軽く押すようにすれば楽にロックがかかります。解除も同様にすればよく、余計な力は不要。

▲手順としてはこんな感じ。完成(右)すると29.5×17.5×H28cm、耐荷重80kg

広げてロックする2ステップ、30秒もあれば完成します。

座面はピンと張っていて、背もたれこそありませんがなかなかの座り心地。軽さと収納性で言えば、3本脚の小さな収束型スツールがライバルとなりますが、「フォールディングスツール」のほうが断然安定します。

▲おろしたてのスツールは一番端の穴でもキツい(上)。座面がゆるんだら順次内側の穴を利用する(下)

通常、座面の生地は次第に伸び、新品当初に得られたテンションが損なわれますが「フォールディングスツール」はロックの穴位置を調節することで座面のハリをキープできる!

フレームを細かく見ていくと、要所要所をカシメているか溶接しているので、火や刃物による座面損傷にさえ気をつければ、子どもが飛び乗るなどしないかぎり大きなトラブルはなさそう。長く、大切に使ってほしいという心意気が見てとれます。

▲座面吊り下げ式(左)とほぼ同じ座面高

「フォールディングスツール」は小さなスツールですが、座面をフレームに被せる座面吊り下げ式とほぼ同じ高さ。肘掛けがないので手をかけて立ち上がることはできませんが、ほどよい高さだし身体が後傾していないので立ち上がるたびに気合いを入れる必要はありません。

徒歩キャンプやスポーツ観戦では「フォールディングスツール」に座り、ゆったり過ごしたいときは座面高30cm以上のロー&ハイチェアの前に置いてオットマン替わりに使うなんてこともできるんですね。

それに座面がピンと張っていてほぼ地面と水平なので、ちょっとした小物置き場にもちょうどいい。スツールからはみ出るバッグやボックスも2脚並べると安定します。

「フォールディングスツール」ユーザーの中には金属製トレイを載せてサイドテーブルにするのは当たり前、2脚を接続してテーブルを自作する猛者もいるようです。

*  *  *

振り返ってみると「フォールディングスツール」が登場した2000年は、オートキャンプブームが一段落し、2脚の収束チェアを天板で接続するなど各社が試行錯誤して製品開発をしていた時代です。

当時はディレクターズチェアほかハイチェアが主流でしたから、ちょっと低め座面で背もたれのない「フォールディングスツール」はかなり異色なのですが、そんな時代だからこそ誕生したのでしょう。

小さくて軽いけれど耐荷重は他のチェアと同等の80kg。オットマンなどサブ扱いでも活躍するのに、20年前で定価は1200円、現在でも2000円でおつりがくる高コスパ。
時代が「フォールディングスツール」に追いつき、ロースタイルが主流となった今、多くのキャンパーがとりこになる要素満載です。

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<取材・文/大森弘恵 撮影協力/ハイマウント>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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