1990年代、日本車が目指した最高出力「280馬力」を振り返る

■280psを達成したモデルはほかにもたくさん!

当初、280psを達成したのは大排気量のMT車が中心でしたが、マツダが1990年に登場させたラグジュアリークーペ、ユーノスコスモは3ローターエンジン20Bが発生する280psのビッグパワーを4ATで受け止めました。信号待ちからアクセルを踏み込むと後輪がホイールスピンするほどの走りに多くの人が驚愕しました。

▲ユーノスコスモ

三菱は名車ギャランGTOから名をとったGTO(1990年~)の3L V6ターボ車で280psを達成。パワーもさることながら、最大トルクが42.5kg-mもあり、ホイールスピンしながら加速する姿から“直線番長”と呼ばれたりもしました。

▲GTO

さらに三菱はWRCで活躍したランサーエボリューションのバージョンⅣ(1996年発売)で、ついに2Lターボで280psを実現します。また、スバルもインプレッサWRX STiのバージョンⅢ(1996年発売)で280psを達成しました。これにより夢の280psは大排気量車だけの世界ではなくなったのです。

▲ランサーエボリューションⅣ

 

■280ps自主規制の終焉

1989年から始まった280ps自主規制は、あくまで「国内で販売される日本車」が対象でした。そのため輸入車には280psを上回るものがあり、販売面で不利になるという声が国産車メーカーから上がっていました。また、国産車メーカーが海外に輸出する際はこの規制対象外なので、国内用と輸出用を別に開発するモデルも存在したのです。

▲ホンダ レジェンド

馬力規制のほか、安全技術の進化や社会通念の変化などにより交通事故死者は減少たこともあり、2004年に280ps自主規制は撤廃されることになりました。そして'04年10月に発売されたホンダレジェンドが国内販売車で初めて280psを超える300psで登場。現行車種では日産GT-R NISMO(600ps)をはじめ、280psオーバーのモデルが数多く発売されています。

 

■当時の280psモデルを中古車で買うときの注意点

280psという当時のマックスパワーに到達したモデルには独特の輝きがあり、どれだけハイパワー車が登場しようとも「あのときの憧れを手に入れたい」と思う人も少なくないでしょう。ただ、280ps自主規制時のモデルは新しくても15年近く前、規制が始まった頃だと25年以上前のものになります。

中古車価格を見ると下は車両本体価格100万円未満から上は1000万円を超えるものまで、価格の開きが大きくなっています。中古車の価格は「この価格なら買ってもいい」という需要と供給のバランスで決まるため、当然価格が高いほど状態がいいと言えるでしょう。

低価格帯には荒っぽい乗り方をされてエンジンやボディ、機関系がかなり傷んでいて、ちゃんと乗るためにはそれなりの整備が必要になるものも存在します。安いという理由だけで飛び付くと、結果的に購入後にかなりの出費が必要になるケースも…。

まずは信頼できる販売店を探し、予算と相談しながらスタッフとクルマの状態を確認してください。そして初期費用はある程度かかってもなるべく程度のいいものを手に入れることをお勧めします。

 


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(文/高橋 満<ブリッジマン>)

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