奈津子×安蔵靖志の「最新家電」丸わかりニュース:2017年5月【前編】

安蔵:ダイソンからは、ヘアードライヤーの「Dyson Supersonic」の最新モデルと、コードレススティック掃除機「Dyson V7」が登場しました。どちらも大きな進化というよりは、地味なマイナーチェンジという感が否めないですね。

▲ダイソンが2017年5月10日に発売したヘアードライヤー「Dyson Supersonic」(実勢価格4万8600円/税込み)

奈津子:発表会で製品をいただいてから1カ月近くDyson Supersonicを使っていますが、とにかく風がパワフルなので「速乾性」を第一に考える消費者にはかなり快適だと思います。

安蔵:Dyson Supersonicは「風速」を3段階、「風温」を3段階で調節できるのですが、「風速1」と「風速2」の速度を落としたことと、最高温度を上げたことでセットしやすくなったそうですね。

奈津子:髪の毛をセットする場合、一度髪の中のタンパク質の結合を解いてから再結合させるそうなんですが、そのためにはある程度の熱が必要なのだそうです。従来のモデルは最高78℃だったのですが、今回のモデルでは最高100℃にアップしたので、よりしっかりと決まりやすくなったのはうれしい点ですね。

▲Dyson Supersonicの新色「アイアン/ブルー」でスタイリングを体験しているところ

安蔵:実際に使ってみると、国内メーカーのドライヤーに比べて軽いというわけではないですが、持ちやすいのは確かです。

奈津子:小型モーターをハンドル部分に内蔵しているので重心が下にあり、握力が9kgしかない自分でも持ちやすくてかけやすいです。かけやすいというのはドライヤーをコントロールしやすいということなので、時短にもつながると実感しました。他のメーカーと違ってイオン機能や温熱機能など気の利いた機能はありませんが、ツヤの出方も及第点という感じです。

安蔵:静音性もなかなかですよね。

奈津子:「風速3」にすると耳の周りで発生する風音はすごいですが、風そのものが発する音で、モーター音はほとんどしません。風速3では台風中継のど真ん中にいるアナウンサーの気分(笑)ですが、それ以外の設定のときはギリギリテレビも見られるレベルだと思います。

▲Dyson Supersonicの発表会場で頭皮チェックをしてもらう奈津子さん

安蔵:静音性という意味では、ダイソンのコードレススティック掃除機「Dyson V7」も従来の「Dyson V8」と同様に静かさが魅力になっていますね。

▲ダイソンが2017年5月25日に発売した「Dyson V7」(直販価格6万5800円/税込み)。左がエンジニアのジョン・チャーチル氏で、右がダイソン日本法人の麻野信弘社長

奈津子:Dyson V7は2015年に発売した「Dyson V6」の価格の安さと、2016年に発売した「Dyson V8」の静音性やゴミ捨てのしやすさを兼ね備えた「いいとこ取り」モデルですね。今までにはない“すき間”を狙ったモデルなんでしょうか。

安蔵:まさにそうですね。今回の発表会は技術的な驚きはなかったのですが、国内のコードレススティック掃除機市場がどんどん伸びていく中で、ナンバーワンシェアを維持するだけでなく拡大するために打ち出した戦略的商品という感じです。我々メディア側からすると驚きは全くなかったのですが、少しでも安くて使い勝手のいい掃除機が欲しいと考えている多くの消費者の心はつかむでしょうね。

奈津子:確かに国内メーカーのコードレススティック掃除機も結構なお値段がしますから、少しでも安くて使い勝手がいいというのは大きな強みになりますね。日本の掃除機市場に対するダイソンの強いモチベーションを感じました。

安蔵:Dyson V8と同様にダストボックスがワンタッチで引き出せるのは魅力ですが、奈津子さんは発表会で引き出すのに苦労してましたね。

▲ダストボックスを引き出すのに苦労する奈津子さん。「でもコツを覚えたらやりやすくなりました」

奈津子:少し固くて、力の弱い私ではなかなか引き出せませんでした。でもその後で製品をお借りして使ってみたのですが、コツを覚えたらやりやすくなりました。

安蔵:自宅で使ってみてどうですか?

奈津子:相変わらず吸引力がすごいです。床の上を滑らせるのが一度で済むので、とても効率がいいです。ただ、以前から本当に感じているのですが、ダイソンは一刻も早く充電問題の解決をしてほしいです。

安蔵:ダイソンは充電・収納用の壁掛け金具を同梱していますが、壁に穴を開けて設置しなければならないですからね。

奈津子:そうなんですよ。賃貸住宅に住んでいる私からすると、公式の製品で立てかけて充電できる充電台を早く出してほしいです。

▲「ダイソンのコードレススティック掃除機は壁掛け金具に取り付けて充電するスタイルなので、賃貸住宅の場合は困ってしまうんです」

安蔵:エレクトロラックスの「エルゴラピードシリーズ」のようなスタンド(自立)型は床置き型の充電台を用意していますけど、ダイソンのように手元に重心があるタイプは充電と収納が大きな課題ですよね。業界をリードしてきたダイソンだからこそ、次の一歩にも期待したいですね。

>> 次回配信は6/13(火)12時を予定しています。

 


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(取材・文/安蔵靖志 奈津子)

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あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。

 

 

 

 

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なつこ/女優・タレント

ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」

 

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