【スーツの基礎知識】「パンツ」の選び方&着こなしの基本ルール

■正しいフィッティングとは

【ウエスト】

パンツのフィッティングにおいて、ウエストのサイズや位置は何よりも重要です。パンツは腰骨の少し上の位置で穿くのが基本。へそ下にパンツのウエストが当たる位置を目安にしてください。この正しいウエスト位置に合わせてパンツの裾上げを行うので、これを間違えると股下丈が合わなくなるので注意が必要です。

たまにパンツを上げすぎている人もいますが、ハイウエストで無理に穿いていると、歩いているうちにウエスト位置が下がって股下丈が余り、シルエットが総崩れ。裾丈も長くなるので、パンツの裾口が地面に擦ってしまうことも。逆にウエスト位置の低いヒップ穿きも、だらしない印象を与えるのでNGです。

 

【ヒップ】

ヒップまわりはジャストサイズが基本です。ラクだからといってゆとりのあるサイズを選ぶと、だらしなく見えるので要注意。目安は指がスッと入るぐらいのサイズ。パンツのポケットやタックが開いていないかをチェックしましょう。これらが開いてしまっていると、サイズが小さすぎるということになります。

 

■正しい裾の長さは?

近年はタイトスーツが人気のため、パンツの裾も短めがトレンドになっています。しかしビジネスマナーを考慮するなら、パンツの長さは “ワンクッション” が正解です。クッションとは、靴を履いたときにスネにできるパンツのくぼみ。これが軽くひとつできる状態がワンクッションです。目安としては靴の甲に触れるくらいの長さ。歩いてももたつくことがなく、ソックスが見えにくいのも特徴です。

これはどちらもNGの長さです。裾のくぼみがふたつできる “ツークッション” は長すぎる証拠。シルエットが悪く、野暮ったい印象を与えると同時に、パンツの裾口も傷みやすくなるので避けましょう。また、ソックスが見えるほど短いのもNGです。立った状態でソックスが見えないことがスーツの基本ルール。カジュアルならいざ知らず、ビジネススーツはソックスが見えない長さを選ぶことが重要です。

 

■裾のシングルとダブルの違い

裾の仕上げは折り返しのないシングルと、折り返しのあるダブルの2種類があります。ビジネスではどちらもOKなので、好みや着こなしに合わせて選んでください。

【シングル】

スーツのモデルによっても異なりますが、パンツの裾はシングルが一般的です。これは<フォーマルシーンでの裾上げはシングルが正式>なことに由来します。もちろんビジネスにもしっかり対応できるため、汎用性の高さが魅力です。近年のトレンドである細めのパンツには、シングルのほうがバランスが良いと言われています。

 

【ダブル】

ダブルの裾はややカジュアルな雰囲気になり、こなれた印象を与えます。トラッドなスタイルのブランドではダブルにすることが多く、スーツのほか、ジャケットやブレザースタイルにもマッチする仕上げです。シングルはフォーマル、ダブルはカジュアルとして覚えておき、職種やTPOに合わせて使い分けたいですね。

【次ページ】ベルト&ソックス 4つのポイント

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